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コラム

           
工数とは?管理方法や出し方(計算方法)・3つの注意点についても解説

工数とは、プロジェクトの作業量のことであり、作業時間とプロジェクトに携わる人数を掛け合わせて算出されます。

この工数をきちんと管理することはプロジェクトマネジメントで極めて重要な要素と言えるでしょう。

工数を削減できればそれだけ人件費や原価も抑えられますし、納期遅延のリスクも減らせます。

この記事では工数についてポイントを押さえながら解説していきます。

そもそも工数とは何か?


「工数」とは、あるプロジェクトを完了するまでに必要な時間と人数を表す指標です。

プロジェクトを完了するまでの作業時間と言い換えることもできます。

製造業をはじめとするさまざまな業種で使用される概念で、プロジェクトを完了するまでに必要な作業量の指標として使われています。

「完遂までにどれくらいの人数と時間がかかるのか?」を算出するのに工数の把握は極めて重要と言えるでしょう。

標準工数とは

標準工数とは、他者と比べて標準的な熟練度のメンバーが標準的な作業方法、作業環境でプロジェクトを進めた場合の時間に、朝礼やトイレ休憩などの余裕時間を足した時間です。

例えばプロジェクトを担当するメンバーが3人いたとして、それぞれが8時間ずつ作業をすれば完遂できる、という場合は3人×8時間で24時間が標準工数となります。

メンバーごとに熟練度や作業時間は異なってくるので、おおよその工数を把握するために使われるのがこの標準工数です。

工数管理とは?

工数管理とは、プロジェクトを終わらせるまでにかかる時間とメンバーの人数を管理することです。

プロジェクト完了までに必要な作業量の全合計を見える化すること、とも言い換えられます。

工数管理で管理する業務量は「かかる時間」×「メンバー数」で算出できますので、管理するのは主に時間と人の2つです。

時間と人を見える化して管理することで、プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握できるだけでなく、「時間がかかっている作業の特定」「作業効率の悪いメンバーの発見」「プロジェクト完遂のおおよその時期」もが分かります。

工数管理をしておけば、ある作業に苦戦しているメンバーがいたら配置転換をしたり、時間のがかかりすぎる作業が出てきたらメンバーを補充したりするなど、プロジェクトの効率化や生産性アップに貢献してくれるでしょう。

工数管理の重要性とは?

ここまでは工数管理とはどういったものか説明しました。

しかし、「工数管理なんて意味ないのでは?」と思う方もいるでしょう。

ただ工数管理は製造業やITなど、あらゆる業界で使われている重要なマネジメントスキルです。

そこで本章では工数管理の重要性を3つ紹介します。

プロジェクト全体のコストを把握できる

社内でプロジェクトが抱えているプロジェクトが多くなってくると、かかったコストをプロジェクトごとに把握するのが難しくなる場合があります。

特に人件費については、決算処理をする際、プロジェクト単位では計上しないので無駄なコストが生まれているかもしれません。

工数管理をしておけば、必要以上のメンバーを配置して余計な人件費がかかっていたり、逆にメンバー数が足りずプロジェクトの進行が遅れたりなど、プロジェクトごとに課題を浮き彫りにできます。

プロジェクト全体のコストを見える化して、「余計なコストがかかっている作業」を特定・改善すれば、利益を最大化するプロジェクト進行ができます。

進捗状況を把握できる

2つ目の理由は、責任者がプロジェクトの進捗状況を常に把握できることです。

特に社内で多くのプロジェクトが同時進行している時は、「誰がどのプロジェクトに関わっているのかが把握できない」「気づいたらあるプロジェクトが納期間近になっている」ということがあるかもしれません。

ただ工数管理をしておけば、プロジェクトに関わるメンバーや進捗状況が一目で分かるので、特定のメンバーにだけ負担がかかりすぎていたり、プロジェクトが遅れることがなくなったりします。

また「誰がどれくらいプロジェクトを進めたか」も分かるので、メンバーの意識も高まり生産性の向上に繋がるでしょう。

見積もりの失敗がなくなる

工数管理が重要と言われる3つ目の理由は、見積もりの失敗によりお客様の信頼を失うリスクを減らせることです。

お客様に見積もりを出す時、予算や納期、品質に関わる事項は正確なものを出さなければなりません。

「予算は100万円くらいでできるだろう」「納期は月末くらいで大丈夫だろう」と正確性に欠ける見積もりを出してしまうのは絶対にNGです。

後になって「やっぱりできませんでした」と追加予算を請求したり、納期を延ばしてもらうよう交渉したりした時点で、一気に信頼を失うでしょう。

ただきちんと工数を管理して把握できていれば、正確な納期・予算で見積もりを出せるので見積もりの失敗がなくなります。

正確な見積もりができれば、誤った予算で見積もりをしてしまったり、納期をギリギリに設定してしまったりして、メンバーに負担を強いることがなくなるでしょう。

日頃から工数管理をしておけば、データが蓄積されていって、見積もりの精度もどんどん高くなっていきます。

工数管理のために覚えておくべき単位とは?

工数管理をする上で、特にIT業界の場合、独特の単位が使われることがあります。

プロジェクトマネージャーは工数を管理する時に、絶対に必要な知識となるので覚えておきましょう。

人時

人時はマンアワーとも呼ばれ、「1人のメンバーが1時間作業してこなせる作業量」を表します。
  
例えば、1人で1時間かかる作業は「1人時」と呼ばれ、5人がそれぞれ5時間作業しなければならない作業は5人×5時間で「25人時」です。

人時の単位は1時間単位で区切れるような、少ない作業量の時によく用いられます。

人日

人日は「1人のメンバーが1日作業してこなせる作業量」のことです。
 
1人が1日作業してかかる作業量は「1人日」、5人が5日間作業する場合は5人×5日で「25人日」となります。

また、50人でかかって半日かかる場合でも50人×0.5日で25人日となります。

就業時間が8時間だったとしても、その間に休憩や打ち合わせなどの時間も入ってくるため、人日で計算する場合は何時間の作業を1日分とするか、あらかじめ定義しておくとよいでしょう。 

人月

人月は「1人が1ヶ月作業してこなせる作業量」です。

メンバーがフルタイムで勤務している場合、週休2日と考えると1ヶ月の稼働日はおよそ20日となるので、1人月=20人日で計算されることが多いです。

ただ、祝日が多い月などは人月あたりの作業が少なくなりますので、注意しておきましょう。

工数の出し方(計算方法)とは?

工数の単位が分かったところで、この項目では工数の出し方(計算方法)について解説していきます。

必要なメンバー数を求める時は「工数÷期間」で算出することが可能です。

例えばプロジェクトを完遂するのに10人月の工数がかかる場合、納期が2ヶ月後だとすると10人月÷2ヶ月で5人のメンバーが必要となります。

またプロジェクトを完遂した後、実際にかかった工数は「メンバーの人数×時間」の総和で求められます。

納期が半年後のプロジェクトを最初の2ヶ月は3人で進めていて、残り4ヶ月は1人増やして4人で作業したとすると・・・

最初は2ヶ月×3人で6人月、残りの期間は4ヶ月×4人=16人月となり、これらを足し合わせて6人月+16人月=22人月が工数となります。

プロジェクトが終わるごとに工数計算をすると、今後同じ規模のプロジェクトを進める時にスムーズに工数計算できるようになるので、必ず工数計算をして振り返るようにしましょう。

工数を管理する時の注意点

誤った工数管理をしてしまうと、プロジェクト全体、ひいては会社全体のコストや利益の管理にズレが出てしまいます。

進捗確認も正確にできなくなり、納期に間に合わなくなったり、適切なメンバー配置ができず余計なコストが発生してしてしまったりするかもしれません。

ここからは、工数管理をする時の注意点について解説します。

現場にいるメンバーの能力を考慮する

正確な工数管理をするには、プロジェクトに携わるメンバーの能力を考慮しなければなりません。

数字だけを見ていると忘れがちなのですが、プロジェクトを進めていくのはあくまでも「人」です。

人それぞれ能力や得意な作業は違うので、メンバーのスキルや作業スピードなどを考えて工数を管理する必要があります。

人は簡単に入れ替えることはできないので、メンバーが過去に携わったプロジェクトのデータを持ってきて、どのくらいのスピードで作業していたかなどを調べておくのも重要です。

メンバーに日々の作業報告を徹底させる

工数管理をするには、作業ごとにどれくらいの時間がかかったかをメンバーに報告してもらうことになります。

この報告をする時に、作業量やかかった時間をあいまいに報告されてしまうと、データ上の数値と現実に乖離が生まれてしまい、工数がどんどんずれてしまいます。

特に「あとでまとめて報告しよう」というメンバーが出てくると、作業量や作業時間があやふやになってしまうので、大変危険です。

毎日しっかりと作業報告をするよう徹底させることで、より正確に工数が分かるようになりプロジェクト全体がスムーズに進みます。

そのためには、利便性の高いツールを導入したり、誰でも気軽に触れるエクセルファイル を用意するなど、報告しやすい環境を整えるとよいでしょう。

目的をメンバーに説明する

工数管理のためにメンバーに作業報告をさせる時は、「なぜ作業報告が必要なのか?」という目的をしっかり説明しておくことが重要です。

目的を説明せずに「ただ作業の進捗を毎日報告してください」だけだと、おおよその数字でしか報告しなかったりして、正確性に欠けるデータが集まってしまいます。

精度の高い工数管理をするために、「メンバー1人1人の進捗状況を把握して、納期まで余裕を持って進めていきたいから、正確な数字を報告して欲しい」と、メンバーに工数管理をする目的をきちんと説明しておきましょう。

また、メンバーから報告させるだけでなく、プロジェクトマネージャーからも進捗に対して積極的にフィードバックを行いましょう。

フィードバックを受けてメンバーが今の問題を自覚出来たり、達成感を感じられたりしてより作業効率がアップします。

工数管理しないCCPMの利用もおすすめ

本記事では、プロジェクトを管理する方法の一つである工数管理についてご紹介しました。

しかし、プロジェクトの管理方法には、工数を管理しないCCPMという手法もあります。

CCPMとは、制約条件に集中して改善することで、全体のパフォーマンス改善を目指すTOCを基にしている、プロジェクト管理手法です。

各タスクの見積もり期間のバッファを取り除き、プロジェクトの最後にまとめて挿入することで、納期の遅延を防止します。

各タスクで発生した遅れは、プロジェクトの最後に挿入したバッファが吸収するといったもので、各タスク出遅れが発生しても納期が遅れるわけではありません。

プロジェクト全体に影響するタスクも判別できるため、どのタスクから優先的に着手すべきかわかる点も魅力です。

まとめ

工数管理はプロジェクトをスムーズに進める上で重要な要素であり、プロジェクトマネージャーには必須のスキルとなります。

正確な工数管理はプロジェクトの進捗管理やメンバーのモチベーション管理、問題意識の共有など、生産性向上に直結します。

メンバー1人1人と工数管理をする目的をしっかり共有して、協力してもらうことが正確な工数管理に繋がります。

また、工数管理は回数を重ねれば重ねるほどデータが蓄積され、次のプロジェクトをより効率よく進められたり、見積もりの失敗を無くすことができます。

すぐに効果を実感するのは難しいですが、業務改善して利益を最大化するために工数管理を取り入れてみてください。

 

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