どんなお仕事にもつきものなのが「納期」です。

特にプロジェクトの場合、絡みあう複雑な要因を加味しながら、納期に間に合うよう進行する必要があり、お悩みの方も多いのではないでしょうか?

企業によっては、重要なKPIのひとつにもなっている納期遵守率。

納期は100%守られるべきものでありつつ、どうして守ることが難しいのでしょうか?

今回は納期遵守率について解説しながら、納期遵守率アップのための方法についてご紹介していきます。

そもそも納期遵守率とは?

まずは、納期遵守率について再確認しておきましょう。

納期遵守率(読み方:のうきじゅんしゅりつ)とは、受注件数のうち納期内に納品した件数の割合を表すものです。

英語ではon time delivery rateや、略称のOTDと呼ばれることが一般的です。

事前に立てられた生産計画に基づき、納期は必ず守られるのが基本となっています。

しかし、どこの会社も納期遵守率が100%なのか?というと、実際達成できている会社は少ないのが現状です。

まずは、納期遵守率を下げる原因に迫ることで、どうして納期に遅れてしまうのか?を明確にしていきましょう。

納期遵守率が下がる原因2つ

納期が守れるようにスケジュールを設定したにも関わらず、プロジェクトや生産を開始するとずるずると遅延が発生してしまった…。という経験はないでしょうか?

そういったケースの場合、気付かない間に納期遵守率を下げる原因を放置してしまっているのかもしれません。

ここでは、納期遵守率を低下させる大きな原因2つを確認しておきましょう。

原因1:想定外の出来事の発生

生産の現場やプロジェクト中、必ず起きるのが「想定外のトラブル」です。

人員の欠員、設備の故障、仕様変更など、想定外の出来事で進行が止まってしまうのはよくある話でしょう。

トラブルの発生を想定していないスケジュールだと、トラブルによる遅れがそのまま納期遅れに直結してしまいます。

早く終わらせるための余裕のないスケジュールによって、逆に首を絞めてしまっているケースは少なくありません。

原因2:リソースの不足

現場の実態とスケジュールを作成する側の認識にギャップがある場合、タスクに対してリソースが不足してしまうことがしばしば生じます。

人手不足はもちろん、設備の性能やスキルを正しく把握しないまま立てたスケジュールでは、期限を守ろうにも守れないのが当然です。

2つの原因は、どちらもプロジェクトや工程の進行中でなく事前のスケジューリングの段階で改善できるもの。

実は、そもそもの納期設定にも改善の大きなヒントがあるのです。

ここからは、納期遵守率の改善に向けて何をすればいいかをご紹介していきます。

納期遵守率を改善するための取り組み

これまで納期遵守率が下がる原因を紹介しました。

ここでは、納期を守るための取り組みとして、プロジェクト進行にあたって確認しておきたい事項を見ていきましょう。

適切なバッファが取られているか

不測の事態に対応するために不可欠なのがバッファです。

時間的余裕を工程の中に適切に配置しておくことで、遅れを吸収し全体の納期遅延を食い止める役割を果たします。

また、進行中は常にバッファをチェックし、進捗を管理することが大切です。

適切なバッファとは、プロジェクト期間に対して一定の割合でバッファを設定できているかどうかになります。

コミュニケーションがとれているか

納期を守るために不可欠なもう一つの要素がコミュニケーションです。

現状がどうなっているのか、どこで問題が発生しているか、その共有がなされないとそもそも問題に対処するのが難しくなってしまいます。

納期遵守にあたっては、日頃からチームとしての関係を強化し、常に報告・連絡・相談ができる風通しのいい組織づくりが大切になります。

どの部分に時間がかかるか把握しているか

スケジュールを立案しマネジメントする立場の方が、各タスクや工程の実情を把握しているかどうかはとても重要です。

マネージャーの想像と現実の工程に大きな乖離があることは少なくありません。

このギャップを埋めない限り、納期を守ることは難しいままです。

日頃から丁寧なヒアリングやコミュニケーションで各工程のスキルや課題点などをしっかり把握するようにしましょう。

納期遵守率の改善に有効なCCPMに注目!

プロジェクトの進行や納期遵守率の改善に有効なマネジメント手法として、おすすめしたいのが「CCPM」です。

CCPMは納期を守ることを目的とした、まさに納期遵守率の改善には最適なマネジメント手法です。

ここでは基本となるTOCの考え方から、その有用性までご紹介していきます。

基本の理論となるTOCを理解しておこう

CCPMは、TOCというマネジメント手法に基づいた考え方です。

TOC(Theory of Constraints)とは日本語で「制約条件の理論」と呼ばれています。

大きな特徴は、組織が抱える課題すべてに対して改善を行うのではなく、課題の原因である限られた要素に絞って改善を行う点にあります。

原因となる要素=制約条件を改善することで、結果的に全体のパフォーマンスを最大化することが可能になるというものです。

制約条件を発見し、改善するということを繰り返し、組織の長期的な成長や改善に繋げていきます。

納期遵守率の改善に役立つCCPMとは?

CCPMとはTOCの考え方を基にした、プロジェクトマネジメントの手法です。

クリティカルチェーンプロジェクトマネジメントの頭文字を取った言葉で、TOCの考え方を用いた改善方法として多くの企業で導入されています。

特徴は、プロジェクトの最長工程にあたるクリティカルチェーンに注目して改善を行うこと。

最も長い時間を要する工程を徹底管理し、納期遵守を目指します。

日本でも、企業規模や業種を問わず取り入れられ、大きな効果を挙げている手法なのです。

以下では、より詳しくCCPMの特徴について解説していきます。

バッファに注目した改善が特徴

CCPMはバッファに注目し、バッファの消費率と進捗率を可視化するプロジェクト管理方法です。

各タスクごとにバッファを割り当てるのではなく、バッファを集約させるのが大きな特徴になっています。

プロジェクトの進捗状況を可視化し、必要な箇所に即座にバッファを割り当てられるので、より無駄のない進行が可能になります。

タスクの優先順位が明確に

タスクごとの優先順位が明確になることは、CCPMの大きなメリットです。多くのプロジェクトで起きているのが「全てのタスクが最優先」という状態です。

バッファマネジメントを行い、遅延の発生しやすいタスクが明確になることで、タスクの優先順位も自然と明確になります。

このように、CCPMは納期遵守に関する悩みを解決してくれる改善がぎゅっと詰まった手法です。

中小企業から大企業の複雑なプロジェクトまで、幅広く活用できるのも導入が増えている要因のひとつでしょう。

まとめ:CCPM導入で納期遵守率の大幅改善が可能に!

多くの企業が課題としている納期遵守率の改善方法についてご紹介してきました。

CCPMは正しく導入することで納期遵守率の大幅な改善が見込める手法です。

正しい導入にあたっては、プロによるサポートを活用することでよりスムーズな改善が可能になります!

私たちビーイングコンサルティングは、TOCおよびCCPM導入のコンサルティングで数多くの企業様の業績改善を成功させてきました。

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