バッファの管理が、プロジェクト成功のカギを握っているのをご存知でしょうか。

「バッファを設定しても、いつも時間が足りなくなる。」「適切なバッファの設定方法がわからない。」など、お悩みのプロジェクトマネージャーも多いと思います。

今回の記事では、バッファを適切に管理できるCCPMについて解説。

バッファについても、詳しく説明していきます。

バッファの適切な管理で、プロジェクト全体のパフォーマンス向上が可能に。

CCPM導入に興味のある方は、記事を参考にぜひご検討ください。

CCPM利用する前に知っておくべき事|バッファとは?

バッファとは、プロジェクト計画時に見積もりで設定する、安全余裕を言います。

バッファは計画に盛り込むことができない突発事項である、以下のようなことに備えるために設定されます。

  • 人間心理による遅延
  • 仕様の追加や変更
  • 作業の抜けや漏れ
  • 急なトラブル対応
  • 人員の病気や悪天候

バッファがあることで上記のような問題に対処ができ、プロジェクト全体の遅延が防止できます。

しかしバッファの設定をしていても、プロジェクトに遅延や停滞が発生してしまうケースは珍しくありません。

なぜバッファを設定したにも関わらず、遅延や停滞が発生するのでしょうか。

作業期日の捉え方の難しさ

安全余裕が見積もりに含まれているのであれば、多くのタスクは期限内に終わるはずです。

しかし、プロジェクトが遅れてしまう理由の一部は、以下の通りです。

  • 与えられた期日まで余裕があるため、ゆっくり着手してしまい、突発事項に対応できず遅延につながる。
  • 与えられた期日まで余裕があるため、他のタスクに着手してしまい、急なトラブルに対応できず火消しに追われる。
  • 時間に余裕がある分、早期に終わるものでも与えられた時間を全て作業に使ってしまう。
  • タスクを早く完了してしまったが、報告しても特にはならないため、結果的にバッファ分までを消費してしまう。

上記の問題は、人間心理より発生します。
その原因は、バッファを含めた期日を作業の期日として認識してしまい、バッファが本来の役目を果たせていないのです。

CCPMではバッファを管理し停滞時間を削減する

プロジェクトの生産性の向上や改善を図る際に、生産的な時間の短縮に注目しがちです。

しかし、生産的な時間の短縮は、今までの組織内の取り組みで十分に改善されているケースが多く、更なる改善の費用対効果は低く、難易度も高い事が多いです。

CCPMを使った管理方法では、生産的な時間に着目するのではなく、バッファの設定などで発生する停滞時間の削減に注目します。
今まで見過ごされてきた停滞時間の削減を行うことで、全体のリードタイムの短縮を実現します。

CCPMにおけるバッファマネジメントとは

CCPMではプロジェクト全体を俯瞰し、戦略的なバッファの配置を実行。

勘や経験に頼ったバッファ配置を行い、結果的に無駄になるような事態を防ぎます。

個々のタスクのみに注目し、各タスクに合いそうなバッファを設定するのでは、プロジェクトにとって意味のないバッファを生み出してしまう可能性があるからです。

バッファを可視化し、そして監視し、不測の事態に備えて対策を打てる環境を整えます。

CCPMでバッファを可視化できる「傾向グラフ」とは

CCPMでは傾向グラフを使って、バッファを管理していきます。

傾向グラフとは、バッファの消費率をグラフ化したものです。

バッファの消費率の危険度ごとに、以下のように色分けされています。

  • 緑:安全
  • 黄:注意
  • 赤:危険

色分けにより、直感的にバッファ消費率の確認ができます。

また、上記のようにCCPMでは各タスクのバッファ見積もりを削除し、最後に集約させるのが特徴です。

右側に記載されているグラフが、傾向グラフです。

バッファの消費率とプロジェクトの進行を、傾向グラフで常に監視。

傾向グラフを用いることで、危険な状態の場合にはすぐに対処ができ、先の見通しも立てやすくなります。

CCPMにおけるバッファの計算方法

バッファ消費率の計算は、プロジェクトバッファサイズ(日数)からバッファ消費日数を引き、さらにプロジェクトバッファサイズ(日数)で割って算出します。

例えばプロジェクトバッファサイズが50日で、バッファ消費率が10日の場合です。

バッファ消費率は、80%となります。

バッファの傾向グラフでは、進捗が進めば横に移動し、上記のバッファ消費率が進めば上に移動する方式です。

CCPMにおけるバッファマネジメントのポイント

続いてCCPMにおけるバッファマネジメントのポイントを、例を挙げながら解説していきます。

<ケース1>

最初のタスクが、予定より5日早く終了。

しかし次のタスクでは15日の遅れが発生してしまい、完了までに30日が必要でした。
結果的に10日の遅れとなり、プロジェクトバッファは10日消費されています。

バッファ傾向グラフの色は現在、緑です。

上記のケースでは、プロジェクトマネージャーの正しい行動を考えてみましょう。

正解は「プロジェクトへの介入は行わず、引き続き経過を確認する」です。

緑の場合は安全な状態です。プロジェクトに介入せず、引き続き経過を観察しましょう。

<ケース2>

プロジェクトスタートから60日目、3つめのタスクに着手してから20日経過。
完了まで30日の見込みです。

つまり10日間の遅れが見込まれており、現在の状況だとプロジェクトバッファは20日消費されています。
バッファ傾向グラフの色は現在、黄色です。

バッファ傾向グラフが黄色の場合、プロジェクトマネージャーの取るべき対策は何でしょうか。

正解は「バッファを回復させるための施策を検討する」です。
これ以上状況が悪化した時のために、施策を黄色の時点で検討しましょう。

<ケース3>

プロジェクトスタートから70日目、現在3つめのタスクに着手中。

タスクが経過して30日後、残りのタスクは35日で完了と見込まれています。
つまりさらに15日の遅れが発生し、プロジェクトバッファは35日消費されています。
バッファ傾向グラフの色は現在、赤です。

ケース2の場合、プロジェクトマネージャーはどのような行動を起こせば良いでしょうか。

正解は「バッファを回復させるための施策を実行する」です。
3つめのタスクを早く完了させるために、追加のリソース投入などの施策を実行しましょう。

以上のように、バッファの色に応じて対応を変え、危険度ごとの適切な対応がバッファマネジメントのポイントです。

CCPMでバッファ管理をするメリット

CCPMを導入し、バッファの適切な管理でプロジェクトの問題に適切な対処が可能です。

プロジェクトの遅れ具合を把握することで、直前の火消しに追われ、最終的に遅延してしまう事態が防げます。

また、CCPMの導入により、プロジェクト全体に影響を及ぼすタスクの把握もできます。

様々なタスクが複雑に絡み合ったプロジェクト実行の場合も、タスクの優先順位を明確化し、見極めが可能です。

まとめ:バッファをCCPMで管理しプロジェクトを成功に導こう

今回の記事では、CCPMでのバッファマネジメントについて解説しました。

バッファとはプロジェクトの見積もりで不測の事態に備えて設定する、安全余裕を言います。

CCPMにおけるバッファマネジメントでは、バッファを可視化し、不測の事態に備えて対策を打てる環境を整えます。

バッファとプロジェクトの進捗率を可視化した、傾向グラフについても解説しました。

バッファマネジメントにおけるポイントについても解説。

危険度に応じた対応方法の例を、紹介しました。

CCPM導入により、バッファを適切に管理し、プロジェクト全体のリードタイムを削減が可能です。

現状のプロジェクト管理に限界を感じているプロジェクトマネージャーの方はぜひ、CCPMの導入をご検討ください。

CCPMについてより詳しく知りたい場合は、以下より資料ダウンロードが可能です。

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