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コラム

           
TOCをシステム開発に活用する手順とは?起こりうる問題点5つを紹介 

「見積もりの精度が低い」

「手戻りが多く、スピーディーに開発が進まない」

「慢性的に納期の遅延が発生する」

このような声は、システム開発の現場で往々にして見られます。

そのような問題を解決するものが、TOCです。

TOCは製造現場のみならず、システム開発にも活用できます。

ここでは、システム開発へのTOCの導入方法や活用例をご紹介するため、TOCの導入を検討している方は参考にしてください。

TOCとは?

TOCは、イスラエルの物理学者であるエリヤフ・ゴールドラットによって生み出された理論です。

日本には、2001年に『ザ・ゴール』の日本語版が出版されTOCの考え方がもたらされました。

TOCは「Theory of Constraints」の略称であり、日本語に翻訳すると「制約条件の理論」。

制約にフォーカスすることでパフォーマンスの向上を目指す理論です。

TOCはシステム開発にも活用できる

TOCでは製造過程のパフォーマンス向上が多くの場合取り上げられます。

しかし、システム開発にも十分活用できる理論です。

TOCを導入することで、遅延ゼロや手戻りの削減が実現可能です。

まずは、これまでのシステム開発環境で起こりうる問題点についてご紹介します。

システム開発環境で起こりうる問題点

この章では、システム開発環境で起こりうる問題点を説明します。

紹介する問題点は、以下の5つです。

  • 計画通りに進まない
  • 長時間労働が慢性化する
  • 顧客やチームメンバーとの認識のズレが発生する
  • 開発費が膨らむ
  • 新しい技術を取り入れる余裕がない

これより順番に説明していきます。

計画通りに進まない

システム開発現場では、計画通りに進まないことが往々にして起こります。

理由としては、見積もりの精度が甘すぎることや、見積もりの際には無かった仕様の追加や変更が加わることなどです。

例えば、システムのバックアップを取るという仕様が途中から追加された場合を考えます。

この場合、バックアップ先のサーバーやNASの調達、構築などの当初考慮に入れていなかった作業が発生します。

結果、現場が計画より大きくずれた進捗になるのです。

長時間労働が慢性化する

システム開発現場では修正やトラブル対応の多さ、人手不足が原因で長時間労働になります。

また、日本ではシステム開発を多重下請けされた後対応されていることも多く、ピラミッド構造が出来上がっているため改善を求めにくい体質となっています。

そのため、長時間労働が問題視されず見過ごされていることも少なくありません。

顧客やチームメンバーとの認識のズレが発生する

他の仕事でも見られる現象ですが、システム開発現場でも顧客やチームメンバーとの認識のズレが発生します。

理由としては、コミュニケーション不足です。

例えば、顧客とシステムの要件定義のすり合わせをしたにもかかわらず、仕様通りにエンジニアがシステムを作ってくれなかったというような経験はございませんか?

認識の齟齬は顧客からの信頼を失うきっかけになるので、認識のズレは避ける必要があります。

開発費が膨らむ

システム開発では当初の予定より開発費が膨らむことがしばしば見られます。

原因としては、以下が例として挙げられます。

  • 見積もりの精度が低く、多くの計画作成時には予想できなかった作業が開発中に生じた
  • 欠員が発生した
  • コミュニケーションミスによる手戻りで作業量が増加した

例えば、導入環境のヒアリング不足で導入当日になって作成したシステムが導入できないことが判明した場合、大きな手戻りや場合によっては新しいソフトやハードを用意する必要が出てきます。

結果、人件費や物販購入の費用がかさむのです。

新しい技術を取り入れる余裕がない

新しい技術を取り入れることでよりパフォーマンスが上がるのは明白にもかかわらず、余裕がなく導入できないケースも少なくありません。

新技術の導入は新技術に沿ったセキュリティの強化も必要になり、また今までとは違うノウハウも要求されるため多額の費用と時間を要します。

そのため、多額の費用と時間を用意できる余裕のある組織や企業や組織しか新技術の導入に着手できないのが現状です。

TOCをシステム開発に活用する手順

具体的にTOCをどのようにシステム開発へ導入するのでしょうか

ステップ① 制約を特定する

組織を全体的に見渡して、パフォーマンス向上の障害、つまり制約が何なのかを見つけます。

制約とは、目的達成に向かううえで存在する数々の"好ましくない事実"を引き起こしている根本的な原因です。

例えば、システム開発においてバッチファイルを使用すれば数秒で終わる作業を1日かけて手作業で対応していませんか?

そういった無駄と思われる作業が何なのか、まずは見つけましょう。

ステップ② 制約を最大活用する方針を決める

このステップで、見つかった制約部分の工程にあるリソースを最大限活用します。

制約となっている工程のパフォーマンスが業務全体のパフォーマンスを決めており、仕事の運用や作業方針を改善すれば、業務全体のパフォーマンスが向上が見込めるのです。

例えば、システム開発における設計でよく発生するのが、特定の有識者にタスクが集中し、そのリソースが制約となりタスクの停滞が発生するケースです。

「その特定リソースの負荷を下げよう」という方針を立てることがこのステップに該当します。

ステップ③ 制約以外のすべてをステップ2の決定に従属させる

制約となっている工程以外も、制約部分のパフォーマンスに合わせて処理します。

なぜなら、制約以外の部分は過剰に成果物を生産していることがほとんどであるからです。

例えば先ほどの「特定リソースの負荷を下げる」ためには、多岐にわたるタスクの中で本当にその人でないとできないのか?他の人に采配できないのかを今一度吟味し制約以外のリソースにタスクを割り当て、制約の負荷を下げることがステップ3に該当します。

過剰な成果物やリソースを減らすことで、コスト削減が実現可能です。

ステップ④ 制約を強化する

ステップ②とステップ③を実行し改善したとしてもまだパフォーマンスの制約である事には変わらず、更なるパフォーマンス向上のために費用をかけた対策を実施します。

例えば、特定のリソースと同じ役割をできるような教育費、単純に人数を増やすための追加の人件費などがそれに該当します。

ステップ⑤ 制約が解消したら惰性に気を付けてステップ①に戻る

引き続き新しい制約の改善を目指して、ステップ①から④で紹介した制約の特定から強化までの流れを再度繰り返します。

この時、惰性があると今まで進めてきた改善が崩壊するので注意が必要です。

TOCを活用した例

ここでは、システム開発の遅延ゼロを達成した昭和電線ケーブルシステム株式会社様へのTOC導入例をご紹介します。

昭和電線ケーブルシステム株式会社様では、平均2ヶ月程度システム開発に慢性的な遅れが発生していました。

当時の常務取締役も、「開発テーマの進捗が見えない、見えないので適切な手が打てない!」と何をすれば改善するのか見当もつかない状況でした。

TOCを利用することで、遅れの原因にスケジュール要因が多く存在することが判明します。

そのスケジュール要因を取り除くことで、技術的には一切改善を加えなくとも遅延ゼロを達成しました。

まとめ:TOCを活かし、システムのパフォーマンス向上を目指そう!

今回の記事の内容を以下にまとめました。

  • TOCは制約にフォーカスしてパフォーマンス改善を図る理論
  • TOCはシステム開発にも有用
  • TOCで、システム開発現場の問題の多くが解消される
  • TOCでは5ステップでシステム開発の工程を改善させる

TOCを利用することで、今まで計画通りいかなかったシステム開発がスムーズに進みます。

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