プロジェクトマネジメントを行う立場の方であれば一度は悩むであろう問題が「プロジェクトマネジメントの正解って何?」というものです。

実際今この記事を読まれている方にも悩んでいる!という方は多いのではないでしょうか?

プロジェクトマネジメントにはたくさんの手法が存在しています。

たくさんあるから選び放題!と思うものの、どれが自社にとって最適な手法なのか判断が難しいでしょう。

今回の記事では、プロジェクトマネジメントの手法をご紹介しながら、手法の中のひとつであるCCPMについて詳しくご紹介していきます。

そもそも、プロジェクトマネジメントとは何をすること?

プロジェクト管理に明確なマニュアルが存在しない企業や、個人の裁量に頼ってしまっている企業も少なくありません。

プロジェクトマネジメントを担当しているけれど、実際何をすることなのか明確には説明できない、というマネージャーの方もいるのではないでしょうか。

なんとなく理解したつもりでいるけれど……という方もご安心ください。

プロジェクトマネジメントの正しい理解のため、基礎に立ち返ることから始めましょう。

ここではまず「プロジェクトマネジメント」の目的は何で、何を実現するものなのか、今一度確認しておきます。

「プロジェクトマネジメント」とは、目的達成を目指すプロジェクトについて、スケジュール・コスト・進捗・リスク管理など様々な視点から、プロジェクト成功に向けた管理をすることを指します。

「プロジェクト成功」とは、顧客が求める条件を満たし、予算内で納期を守って納品・提供を行うことです。

次は、プロジェクトマネージャーであればおさえておきたいマネジメント手法を8つご紹介いたします。

おさえておきたい有名プロジェクトマネジメント手法8選

ここでは、有名なプロジェクトの管理手法8つをご紹介していきます。

プロジェクト管理手法には時代ごとにトレンドの手法なども存在するものの、普遍的な考え方は同じです。

8つの手法を通して、よりプロジェクトマネジメントの現実に迫っていきましょう。

PMBOK

PMBOKは「Project Management Body Of Knowledge」の略。

プロジェクトマネジメントの教本とも呼ばれ、プロジェクトマネジメントのノウハウや知識を初めて体系立ててまとめたものとして知られています。

PMBOKでは、マネジメントを必要とする10の要素と5つのプロセスに分類し、プロジェクトマネジメントを行います。

プロジェクトを分割して管理する手法は、世界中で業界を問わず利用できるのも広く使われている理由のひとつでしょう。

現在はプロジェクトマネジメントの世界標準となる考え方として、マネジメントのチェックリストという形でも利用されています。

WBS

WBSは「Work Breakdown Structure」の略。

作業分解構成図を意味し、プロジェクトを完成させるために必要な全体の作業を細分化し、ツリー状のプロジェクト設計図を作成する管理手法です。

細かな作業を記すことで、誰が / いつまでに / 何をやらなくてはいけないかのスケジュールを明確にし、図によって作業の抜けや漏れ、作業範囲の可視化も可能になります。

そのため、特にプロジェクトの計画段階において活用されることが多いです。

PERT

PERTは「Program Evaluation and Review Technique」の略。

弾道ミサイル開発のプロジェクトのために考案され、一般的なプロジェクト管理に転用されています。

複雑なプロジェクトの管理でより威力を発揮する手法で、プロジェクトを複数の工程に分け、必要な期間や作業のプロセスを図式化し、必要な工程の依存関係を発見していきます。

依存関係が明確になることで、所要時間や重要な工程が見える化でき、プロジェクト管理がとてもスムーズになるのです。

ガントチャート

ガントチャートは、最も古いスケジューリング手法とも言われるマネジメント手法です。

作業工程や進捗状況を表で表し、一目で確認できるのがポイント。

プロジェクト全体の視覚的な表現に優れ、計画の全体像の見える化が可能です。

また、単体で活用されることは少なく、WBSと組み合わせることでより効果的に活用できます。

専用のプロジェクト管理ツールも豊富に用意され、認知度も高い手法です。

アジャイル

アジャイルは「すばやい」という意味を持つマネジメント手法です。

プロジェクトを1~4週間単位の短い期間に分けて、管理を行っていきます。

期間ごとに目標や計画を立て、それを繰り返しながらプロジェクトが進行していきます。

変更の発生に対応しやすく、今多くの注目を集めているトレンドの手法です。

特に短期間のプロジェクトでの活用で真価を発揮します。

QFD

QFDは、「Quality Function Deployment」の略。

日本の製造業から生まれた品質管理のためのプロジェクトマネジメント手法です。

品質機能展開とも呼ばれ、日本から世界に広がった珍しい手法でもあります。

顧客のニーズを洗い出し、どうすれば品質を満たしながら顧客の要望に応えられるのかという試行錯誤を行いつつ、品質を確保しながら顧客ニーズに応える方法を探っていきます。

高品質の製品開発を確実に行うことができ、プロジェクトの方向性のぶれをなくせるのもポイント。

商品企画の手法としても活用が進んでいます。

P2M

P2Mは「Project & Program Management」の略。

2001年に日本で開発された比較的新しい手法です。

全体を俯瞰しつつ個々のプロジェクトを制御するマネジメントを特徴としています。

PMBOKの弱点である複数のプロジェクトの統合を可能にした点で、革新的と呼べる手法です。

CCPM

CCPMは「Critical Chain Project Management」の略。

スケジュールを遵守した上でのプロジェクト達成を目指すための管理手法です。

CCPMでは、プロジェクトのタスク実行期間に含まれているバッファ(期間的安全余裕)の消費を最低限に抑えつつ、プロジェクトのバッファの消費に焦点を当てることで、プロジェクトの納期遵守を目指すマネジメントを行います。

納期遵守に優れた効果を発揮し、クリティカルチェーンと呼ばれる最も時間のかかる工程に注目して改善を行う点も大きな特徴のひとつです。

納期遅延を無くしたいならCCPMがおすすめ!

ここまでたくさんのプロジェクトマネジメント手法について解説を進めてきました。

多くの方がプロジェクトマネジメントで悩むのが「納期」に関する問題ではないでしょうか。

納期遅延に対する改善方法の最善手が、すでにご紹介したCCPMなんです。

私たちビーイングコンサルティングは、組織のプロジェクト納期遵守やプロジェクトリードタイム短縮の実現を目指すプロフェッショナル集団。

CCPMの基礎を解説しつつ、実例を通してその有用性についてもご紹介していきます。

まずはTOCについて理解しよう

CCPMの基本になっているのはTOC(「Theory of Constraints」の略)という考え方です。

この手法は「制約条件の理論」とも呼ばれ、パフォーマンスを妨げる制約条件に集中して改善することで、全体の業績改善や向上につなげていきます。

全ての課題に対策を打つのではなく、根本原因となっているごく少数の制約条件に対して対策をすることで、最小のコストで最大の改善効果を得ようというもの。

CCPMにおいてもこの考え方が用いられ、工程の中で弱点となる部分に注目し改善することで、全体の余裕を作り納期全体への遅延発生を抑えます。

日本でも数多くの企業で導入されるCCPM

企業の業種・業態を問わず、体系化されたメソッドで導入が容易であり、日本でも多くの企業で実際に活用されています。

マツダ様やオリンパス様といった、誰もが耳にしたことがある有名企業のプロジェクトマネジメントでも、CCPMは大きな成果を挙げています。

ここでは実際にビーイングコンサルティングがコンサルティングを担当した2社を実例としてご紹介します。

マツダ株式会社様

自動車技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」のパワートレイン開発のプロジェクト管理にCCPMを導入したマツダ株式会社。

ビーイングコンサルティングのコンサルティングによって、草の根活動から改善を開始しました。

CCPMへの信頼をメンバー内に丁寧に築くことで、チームワークの最大化に成功しています。

結果的には、開発期間の50%短縮を実現し、導入は大成功を収めました。

オリンパス株式会社様

医療機器開発プロジェクトや大規模プロジェクトにおける納期遵守に悩んでいたオリンパス株式会社。

ビーイングコンサルティングによるコンサルティングの結果、プロジェクトメンバーのコミュニケーションを重視したプロジェクトへのCCPM適用が実現しました。

結果として、

  • 組織全体として今取り組むべきタスクが明確になる
  • プロジェクト全体の進捗状況をすぐ把握できる
  • チームごとの繋がりが明確になる

などの改善を通し、プロジェクト全体の期間短縮に成功しています。

実際に日本の企業でも数多くの導入事例があるCCPM。
企業規模や業種を問わないので、ぜひ一度導入を検討してみてください。

プロジェクトマネジメントを成功させるコツ

どの手法を選んだとしても、目的は同じ「プロジェクトを成功させること」。

プロジェクト成功のために必要となる、8つのコツについて最後に触れておきましょう。

プロジェクトの目的を明確に

プロジェクト達成にに必ず必要なのが「ゴール」。

チーム全員が、なんのために、いつまでに、どんな成果を求められているのか認識できているかどうかはとても大切です。

目的の認知の際は、ぼんやりとした曖昧な目標設定ではなく、具体的な期日や数字を共有しましょう。

チームで確実に共有できるよう工夫をするのもマネジメントでは重要な作業です。

事前に必要なリソース/必要スキルをピックアップする

プロジェクトのタスクに割り当てるリソース/スキルが不明確の場合、実行段階になって慌ててリソース/必要スキルの確保を目指しても間に合いません。
タスクの実行に必要なリソース/必要スキルを計画段階で明確にすることで、リソース/必要スキルの負荷も確認できるため、戦略的かつ最適なリソース/必要スキルの分配が可能となります。

タスクの細分化とリストアップ

プロジェクトに必要なタスクは、プロジェクトが動き出す前に把握し、優先順位を設定しておきます。

ここで重要になるのが「最適な粒度に細分化すること」です。

細分化しすぎることは、要注意。
管理不能状態に陥る可能性が高くなります。

詳細なタスクが示されることは、メンバーにとってもプロジェクトの全体の中での自分の役割の把握のための大きな指針になります。

役割や責任の所在を明確に

メンバーごとの役割や責任の所在を明確にしておくことは、プロジェクト進行上の無駄や抜け漏れをなくす意味でもとても重要です。

自分だけでなくチームのメンバーそれぞれの役割を把握できることで、円滑なコミュニケーションが取れるのもポイント。

役割や責任によって、メンバーそれぞれのモチベーション向上にもつながります。

コミュニケーションを重視する

チーム内のコミュニケーションを活発にすることはプロジェクトマネジメントにおいてとても大切です。

チーム内の信頼関係の欠如やプロジェクトの遅延の多くの原因がコミュニケーション不足によるものです。

マネジメントする上で、積極的なコミュニケーション発生のためのしくみ作りはとても重要な作業になります。

各メンバーのモチベーションアップにもつながるので、積極的な対話を心がけましょう。

情報共有を徹底する

チーム間での情報共有を徹底して行うことで、進捗状況の把握やトラブル発生時の対処スピードも向上します。

タスクや進捗の見える化を意識的にし、メンバー内での情報へのアクセスも簡単に行える環境づくりが大切です。

リスクと対策について考える

どんなに緻密な計画をしても、リスクは避けられないものです。

事前にリスクになりうるポイントを検証し、対策を用意することはスムーズなプロジェクト進行には必須です。

この際、発生する確率が高く、全体への影響が大きいリスクから優先的に対策を用意すると無駄がありません。

管理ツールを適切に活用する

プロジェクト管理ツールの活用で、プロジェクト管理は大幅に前進します。工程やスケジュールを可視化することで、メンバー内の情報への理解度も大きく向上が見込めます。

重要なのは適切なツールを選択すること。

プロジェクト規模や内容などを加味して、最適なツール選択を行いましょう。

まとめ:マネジメント手法CCPMの導入でプロジェクト管理はスムーズに!

今回紹介しきれなかったものも含め、数多くあるマネジメント手法。

その中でもCCPMは、業種を選ばないなど「はじめてのプロジェクトマネジメント」にも最適な手法のひとつです。

プロによるコンサルティングを利用することで、よりスムーズな導入も可能になります。

ビーイングコンサルティングでは、プロジェクト管理に関する無料セミナーや無料資料もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

無料資料ダウンロードへのリンク