会社で業務を進める上で、必ず生じるのが「意見の対立」です。

もっと会社を良くしたい!という気持ちは同じだからこそ厄介で、意見同士の板挟みになって悩まれている方は業種や企業規模を問わずにいらっしゃいます。

仕事の上での意見の対立や上司間での意見の対立は、悩みの種ではあるものの、上手く解決することで業務を大きく推進する糸口につなげることが可能だ。

今回は意見対立に対する適切な考え方をご紹介しながら、解決にとても役立つ「対立解消図」についてご紹介していきます。

意見の対立に困っていませんか?

業務の中で、今まさに意見が対立して困っている!という方もいるのではないでしょうか。

対立している当事者の方だけでなく、調整する立場の方にとっても意見の対立は大きな悩みです。

まずは、そもそもどうして意見が対立してしまうのか、どうしてすんなり解決できないのかについて改めて考えてみましょう。

意見の対立はなぜ起きる?

ある視点から見れば最良の選択でも、立場が違えばベストと言えないことはよくあるでしょう。

意見の対立は、2人以上の当事者間で、意見はもちろん、目指すもの、業務への取り組み方など、さまざまな違いが原因で生じます。

ひとつ覚えておきたいのは、意見の対立は必ずしも無意味なことではなく、そこに「もっとよくしたい!」の気持ちがあるからこそ生まれるものです。

対立が生じた際は、まず悲観的にならず、よりいい状況を目指せるきっかけと捉えてみましょう。

と同時に、だからこそ解決が難しい、という側面もあります。

対立をなくそうとすると起きるジレンマ

対立する2者間では、基本的に目指すゴールは同じ「企業が儲け続ける」ことであるはず。

そのためどちらの行動も「正しい」ために、選択できないというジレンマが生じてしまいます。

しかし、対立をよく見ると、それぞれの意見には異なるニーズが存在し、ニーズを満たすための行動の部分が対立していることが分かります。

このことに注目し、対立の解消を図るのが「対立解消図」です。

対立解消図を使えば問題解決はもっとスムーズに!

厄介な意見の対立の解消に役立つのが、今回ご紹介する「対立解消図」です。

対立解消図は別名TOCクラウドとも呼ばれ、マネジメント手法「TOC」に基づいた考え方で、対立を解決へ導くことを目的としています。

対立解消図の重要な考え方は、以下の2点です。

  • 対立している行動にはそれぞれにニーズと共通目的がある
  • 目的を達成するための行動には「こうすべき」という仮定がある

このように対立解消図では、対立する行動だけでなく、背景の目的や仮定を注視することが大切になります。

以下では実例を通して、より詳しく対立解消図について見ていきましょう。

実際の例で見る対立解消図の使い方

ここでは実際の例を通して、仕事での対立解消図の使い方について解説していきます。

どんな会社でも起こりうる身近な意見対立のエピソードですので、ぜひ今のお仕事に置き換えながら読んでみてくださいね。

上司同士の意見対立に悩むAさん

これまで、賃貸住宅の営業をしてきた営業マンのAさん。

社内で今問題になっているのが「値引き率」についてです。

既定の値引き率を超えて、値引きを認めるか、認めないかで、所属組織の長である支店長と部長の意見が対立しているのです。

案件の見極めや商談の進め方にも大きく関わるこの問題。

対立解消図をもとに、最適解を探ってみましょう。

対立解消図で新たな道を探る

この問題を実際に対立解消図で図示して整理してみましょう。

今回は支店長と部長の対立する2つの意見をもとに対立解消図を作成しています。

この場合「値引きを認めない」と「値引きを認める」の行動が対立しています。

「値引きを認めない」ことは背景に

「会社を発展させる」

↓そのために

「利益率を高める」

↓そのために

「値引きを認めない」

↓なぜならば

定価での販売が最も利益率の高い販売方法であるため

という理由があります。

一方で「値引きを認める」ことは背景に

「会社を発展させる」

↓ そのために

「受注案件を増やす」

↓そのために

「値引きを認める」

↓ なぜならば

既定の値引き率以上に値引きし受注案件を増やすことで、市場での競争優位性が高まるから、という理由があります。

このように共通の目的があるときには、対立は必ず解消可能です。

対立するニーズの片方を選択するのではなく、第3の道を探ってみましょう。

ここでは解決策(インジェクションと呼びます)として、値引き以外の施策を打つ方向性で進めるのがひとつの方法になります。

さまざまなシーンで応用できる対立解消図

今回は会社での例で対立解消図の使い方についてご紹介してきました。

実は対立解消図は、家庭の家事分担や、部活でのチームワークでの意見の対立など、会社だけでなくさまざまなシーンで応用できる考え方なんです。

組織だけでなく、個人の問題解決や意思決定にも使えるツールが対立解消図です。

日常の中できっと使い方を練習できる場面はたくさんあるはず。

ぜひ対立解消図を取り入れて、毎日の問題解決に役立ててみてくださいね!

まとめ:対立解消図を使うことで、お仕事はよりスムーズに!

今回は、実例をもとに対立解消図についてご紹介してきました。

対立解消図の根底にあるTOCには、業務改善のためのたくさんの思考が詰まっています。

実際にTOCを導入することで大きく業績を改善した日本企業も数多く存在しているのです。

私たちビーイングコンサルティングは、TOCを用いた業務改善のスペシャリストです。

より深く知りたい、という方は以下の無料資料からぜひご確認ください!

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