プロジェクトの業務効率化が思うように進まず、TOCの導入を検討しているプロジェクトマネージャーの方も多いのではないでしょうか。
プロジェクトを成功に導くためには、タスク管理や社員の労働環境を把握する必要があります。
TOCは「制約条件の理論」とも呼ばれ、企業の効率やパフォーマンスを阻害する「ボトルネック」に注目し、集中的な改善と見直しをする手法です。
しかし、TOCとはどのようなものか理解しているつもりでも、自社でどのように取り組むべきか悩むこともあるでしょう。
とはいえ、専門的なTOCを独学で習得するのは難しいため、セミナーを活用することをおすすめします。
TOCセミナーを受ければ、業務が遅れる課題を根本から改善でき、余裕をもってプロジェクトを進められるでしょう。
この記事では、おすすめするTOCセミナー3選や、受講するメリット・セミナーの選び方について解説します。
TOCとは
TOCとは現在から将来にわたって企業が繁栄し続けるために、制約を特定して制約に集中して改善することで、全体の業績向上を目指すマネジメント手法です。
従来の経営手法では、個々のプロセスにおけるパフォーマンスを最大化することで、全体のパフォーマンス向上を目指していました。
しかし、このような経営手法だと、全体に影響を与える制約条件が改善されないため、全体のパフォーマンスが最大化されないという問題点があります。
それに対し、TOCでは全体に影響を与える制約条件を特定して改善するため、無駄なリソースを使わず、効率的に全体のパフォーマンスを最適化できます。
なお、制約条件を改善するステップは以下の通りです。
- 制約を見つける
- 制約を最大活用する方針を決める
- 制約以外のすべてをステップ2の決定に従属させる
- 制約を強化する
- 制約が解消したら惰性に気を付けてステップ①に戻る
関連記事:ビジネスを成功に導くTOCとは?改善の5段階集中プロセスや理念を解説
TOCのセミナーを受けるメリット
この章では、セミナーを受けるメリットを5つご紹介します。
- 疑問点をすぐに解消できる
- 人脈を作れる
- 最新情報が手に入る
- 体験しながら学べる
- 専門家に直接質問できる
疑問点をすぐに解消できる
セミナーでは講師が目の前で説明しているため、セミナーに関する疑問点があればすぐに解消できます。
独学でTOCなど専門性の高いことを学ぶ場合、自分だけでは理解できないことがでてくるでしょう。
しかし、独学ではすぐに誰かに相談するということが難しく、わからない部分を放置してしまう可能性があります。
しかし、セミナーに参加すればすぐに疑問点を解消できるため、理解度を高めることが可能です。
専門知識の豊富な講師が具体例を交えながらわかりやすく説明してくれるため、セミナーの参加前よりもより知識を深められるでしょう。
人脈を作れる
セミナーを開催している人や参加した人との人脈を作れる点も、セミナーを受けるメリットの1つです。
独学でTOCなどを学ぶ場合、誰とも接触しないため、相談相手や顧客になる可能性がある人などとの人脈は作れません。
一方、セミナーを受ければ多くの人と出会えるため、質の高い人間関係を構築できます。
専門性の高い講師と知り合えるだけではなく、セミナーに参加している他社の人ともつながることが可能です。
セミナーへの参加者の中には、将来的な顧客がいる可能性もあるため、ビジネスチャンスが発生することもあります。
最新情報が手に入る
セミナーでは業界の最前線で活躍する講師から話を聞けるため、最新情報を手に入れられます。
インターネットや書籍を活用して独学する場合、得る情報が最新でない場合があります。
せっかく苦労して得た知識が一昔前の情報である可能性もあるのです。
しかし、セミナーであれば最新情報を手にいられるため、まだ広まっていない貴重な情報を入手することも可能です。
内容によっては、ビジネスに活かせられる情報も手に入ることもあるでしょう。
また、セミナーでしか聞けない限定情報も手に入れられる場合もあります。
専門家に直接質問できる
4つ目のメリットは、専門家に直接質問できることです。
書籍やインターネットで独学をしていると、疑問が湧いてもなかなか解消できません。
一方、セミナーでは講義に質疑応答の時間が設けられているケースがほとんどです。
専門家に直接質問できるため、より自社の課題に沿った回答を得られる可能性が高いでしょう。
人脈ができる
5つ目のメリットは、人脈ができることです。
オープンセミナーや複数の企業が参加するセミナーの場合、ディスカッションや質問の時間・休憩時間など、他社の参加者と話す機会があるため、新しい人間関係を築けます。
また、専門家と知り合いになれるチャンスもあります。
セミナーでの縁をもとに取引関係へと発展したり、相談役として自社に貢献してくれたりと、さまざまな恩恵が生まれるでしょう。
TOCセミナーに参加すべき企業の特徴
TOCセミナーに参加すべき企業の特徴は、次の3点です。
- 自社に取り入れたいが、従業員に広めることが難しい
- プロジェクトにおける問題点がなかなか解消しない
- 計画的にプロジェクトが進まない
ひとつでも該当していないか、チェックしてみましょう。
自社に取り入れたいが、従業員に広めるのが難しいと感じている
TOCの考え方を自社のプロジェクトに取り入れたいものの、チームメンバーに受け入れてもらえるか不安に感じているマネージャーの方も多いでしょう。
そのような場合なら、TOCセミナーが役立ちます。
上司からではなく、セミナー講師からの指導であれば、従業員が納得して取り組みやすくなります。
専門家である講師からの言葉のほうが重みがあり、内容に説得力が生まれるからです。
また、自社の問題点や改善方法に気付き、具体的にアドバイスが受けられる可能性もあります。
従業員にTOCのメリットをより強く感じてもらったうえで、プロジェクトに取りかかれるでしょう。
プロジェクトにおける問題点がなかなか解消しない
試行錯誤でプロジェクトにTOCを導入したものの、思うように問題が改善しないケースも珍しくありません。
その場合、TOCの理論がうまく適用できてない可能性が考えられます。
TOCセミナーで専門家に直接質問することで、不明瞭だったTOC理論が明瞭になるほか、適切に理論を反映して改善効果を得られるでしょう。
計画通りにプロジェクトが進まない
社内でタスク管理をしても計画通りにプロジェクトが進まないと感じる場合は、TOCセミナーの受講をおすすめします。
TOCは、業務の妨げになっている点(ボトルネック)を発見し、全行程の調整と最適化をすることです。
ボトルネックに合わせて各工程を最適化することで、スムーズな業務が可能となり、プロジェクトの遅延解消へとつながります。
TOCセミナーを受講すると、上記のようなTOCの知識を体系的に学べるでしょう。
結果としてボトルネックを発見し、生産性や業務効率を下げる原因に集中して取り組めるきっかけが生まれる可能性が高まります。
また、TOCは何度も繰り返し改善する必要があるため、数日にわたって研修を受けられるようなスケジュールのものを選んでみましょう。
TOCのおすすめセミナー3選
おすすめするTOCセミナーは、次の3点です。
- 株式会社JQUALIA「TOC研修」
- 株式会社グローバルテクノ「TOC入門コース」
- たくらみ屋「TOC研修」
TOCセミナーはさまざまな種類があり、講師から話を聞くものから体験しながら学べるもの、さらに数日間から数週間に渡って研修をするものまであります。
どの企業も定期的にセミナーや研修が行われており、今回紹介するものは、数あるセミナーの一例です。
本格的にTOCを使って取り組みたい場合は、セミナーが開催されていないか定期的に確認しておきましょう。
①株式会社JQUALIA「TOC研修」
初めに紹介するTOCセミナーは、株式会社JQUALIA(ジェイクオリア)が開催する「TOC研修」です。
TOC研修は、シミュレーションゲームを通して疑似体験をすることで、自社の課題と解決策を探っていきます。
ダイスゲームでは、6人1組になり製造工場を運営するイメージでTOCの基礎を習得します。
参加者全員で「業務フロー図」を作成し、客観的に問題点や解決策を見つけ、話し合いながら検討するなど、ディスカッションを重視した構成が特徴です。
全員が自由に発言することで、他のメンバーの意見をもとに具体的な解決策を考え出せます。
研修は2日間に渡って行われます。
また、出張セミナーや一日研修など、各要望に合わせて相談可能です。
セミナー名 | TOC研修 |
インストラクター | 田中滉一郎 (株式会社JQUALIA代表) |
参加費用 | 38,000円(材料費・昼食含む) |
会場 | 大阪・名古屋 |
開催頻度 | 月3~5回程度 |
運営会社 | 株式会社JQUALIA(ジェイクオリア) |
公式サイト | https://jqualia.jp/ |
②株式会社グローバルテクノ「TOC入門コース」
ここで紹介するTOCセミナーは、株式会社グローバルテクノの「TOC入門コース」です。
TOC入門コースは企業内のセミナーとなっており、期間は1日です。
費用や日程調整・研修プログラムを株式会社グローバルテクノと相談し、決定します。
代表的なTOCツールの概要やTOCの考え方を、ゲームやケーススタディーで習得できる研修です。
TOC入門コースのほかにも次のようなセミナーがあり、TOCについて体系的に学べるメリットがあります。
- ドラムバファロープ基礎コース:
TOCの代表的ツール「ドラムバッファロープ」の基礎技術 - クリティカルチェーン基礎コース:
TOCの代表的ツール「クリティカル・プロジェクトマネジメント」の基礎技術 - スループット基礎コース:
TOCの代表的ツール「スループット計算」の基礎技術 - 思考プロセス基礎コース:
TOCの代表的ツール「対立解消図」と「5つのツリー」の使い方
セミナー名 | TOC入門コース |
インストラクター | 株式会社融合経営講師 飯塚昇 (飯塚革新コンサルティング代表) |
参加費用 | 内容や日時・人数による |
会場 | 出張研修 |
開催頻度 | 問い合わせ後にスケジュール調整 |
運営会社 | 株式会社グローバルテクノ |
公式サイト | https://efmc.jp/toctraining/toci/ |
③たくらみ屋「TOC研修」
最後に紹介するTOCセミナーは、たくらみ屋セミナー事務局が開催する「TOC研修」です。
下記のセミナーは一例で、オープン研修や社内研修、複数社で合同研修をすることも可能です。
2日かけてTOC理論の解説とゲーム形式によるセミナーが受けられます。
TOCを活用し成果を出せる組織育成の研修で、6人1組の体験型ゲームによって学習できるのがポイントです。
セミナー内容は次の通りです。
スケジュール | セミナー内容 |
1日目 | ・戦略MQ会計講義 ・TOCゲーム(1)決算(DC+FC) ・昼食(自己紹介) ・TOCゲーム(2)決算 ・講義「DBR理論の基礎」 ・TOCゲーム(3)決算 ・講義「ボトルネックの徹底活用」 ・交流会 |
2日目 | ・前日の振り返り ・TOCゲーム(4)説明 ・昼食 ・TOCゲーム(5)決算 ・事例発表 ・業務フロー発表 ・まとめ ・感想文の提出 |
研修方法や内容により費用が異なるため、申し込みの際は確認が必要です。
セミナー名 | TOC研修 |
インストラクター | 森本繁生 (ソフトパワー研究所認定TOC最上級インストラクター) |
参加費用(税抜) |
初心者コース:30,000円/1名 |
会場 | 〒581-0803 大阪府八尾市光町2ー60 リノアス8F(みせるばやお) |
開催頻度 | 問い合わせ後にスケジュール調整 |
運営会社 | 株式会社たくらみ屋 |
公式サイト | https://takuramiya.com/plotlist/toc/ |
TOCセミナーを選ぶ際のポイント
TOCセミナーを選ぶ際は、次の3点を押さえておきましょう。
- 自社の目的に合っているか
- 主催者が信頼できるか
- 予算内で受けられるものか
業務の合間を縫ってセミナーに参加したものの、「思ったものと違っていた」と後悔しないよう慎重に選ぶ必要があります。
自社の目的に合っているか
まずは、自社の目的に合っているかどうかが、重要なポイントのひとつです。
TOCセミナーは、基礎知識を得るためのものから、実践的な内容まで幅広い種類が存在します。
例えば、TOCの全体像を具体的に把握したいという目的があるなら、フィードバックが得られたりや体験して理解を深められるセミナーを選びましょう。
セミナーの内容は、公式サイトに記載されていることが多いです。
過去のセミナーの様子が見られるサイトもあるため、内容をよく確認してから申し込みましょう。
主催者が信頼できるか
主催者が信頼できるかどうか見極めることも重要です。
セミナーの開催実績がある企業や、専門知識や経験が豊富な講師が開催するセミナーを選ぶことがポイントとなります。
また、TOC専門に取り扱っている企業向けセミナーも存在します。
信頼できるセミナーを見つけるためには、インストラクターの書籍やSNSを確認する方法が効果的です。
ほかにも、セミナー名で検索して口コミや評判を調べる方法もおすすめです。
予算内で受けられるものか
TOCセミナーは、数日間にわたって開催されるものもあり、講師やセミナー内容によって大きく費用が異なります。
セミナー費用が高いものほど、カリキュラムの内容が豊富になっており日数も長くなる傾向があります。
そのため、本当にそのカリキュラムが自社に必要な内容であるかどうか見極めることが大切です。
例えば、すでにTOCの基礎理論を理解しているプロジェクトマネージャーが、基礎講座を受講しても得られるものは少なく、費用対効果が薄くなってしまいます。
上記のような問題を避けるためにも、参加者や企業のレベルに合ったセミナーを選び分けましょう。
ビーイングコンサルティングが開催するTOCのセミナー
この章では、ビーイングコンサルティングが開催するTOCセミナーの例を紹介します。
紹介するセミナーは「【TOC流】経験豊富なチーフコンサルタントが解説!プロジェクトマネジメントのアンチパターン」です。
プロジェクトマネージャーやPMO・部長職・本部長・経営層などを対象としています。
Web会議システムを活用したセミナーで、参加人数に制限はありません。
オンラインで受講できるため、会場に移動する必要がなく、多忙な方でも気軽に参加できます。
セミナーのタイトルにもなっている「アンチパターン」とは、悪い結果に陥りやすい、避けるべき典型例を意味する言葉です。
品質を上げるために取った行動も、悪い結果を引き起こしている可能性があります。
そしてプロジェクトマネジメントには、アンチパターンが複数存在しています。
プロジェクトマネジメントを成功させるために、このセミナーではTOCやCCPMの要素を加えながらアンチパターンを具体的に説明します。
ちなみに、以下からその他のセミナー情報を確認できるため、TOCのセミナーの受講を検討している方はぜひ併せてご覧ください。
当社ビーイングコンサルティングでは、定期的にTOCに関連するセミナーを開催しております。
ノウハウ、事例紹介、体験型と多様なスタイルのセミナーを用意しておりますので、目的やご希望に沿ったセミナーにご参加ください。
まとめ:セミナーを活用してTOCの導入を成功させよう!
今回ご紹介したセミナーの開催元はTOCを専門に取り扱っています。
座学だけではなく、実践を通じてTOCを学べるなど、その内容はさまざまです。
セミナーでは専門家に直接質問をしたり、参加者セミナー同士の交流で新たな人脈を作ったりすることも可能です。
セミナーを受講する際は、主催者の実績や経験を確認し、自社の目的や予算に合ったものを選びましょう。
当社ビーイングコンサルティングでは「TOCベーシックコース」という基礎セミナーを提供します。
TOCベーシックコースは、全3回に分かれており段階的にTOCについて学べます。
申し込みをすると専用のURLが送られ、自社の好きなタイミングでセミナーを受けられます。
理解度チェックやフィードバックが受けれられることは、企業にとって大きなメリットになるでしょう。
興味のある方は、こちらのページをご覧ください。
【TOCベーシックコース】
https://toc-consulting.jp/training/tocbasic/