皆様は、プロジェクトを円滑に進めるために重要な作業工程表の作り方をご存じでしょうか。
作業工程表は、エクセルやGoogleスプレッドシートといった表計算ソフトや専用のツールを利用することで作成が可能です。
本記事では、プロジェクトに必要な作業工程表について以下のことを解説していきます。
- 作業工程表を作るメリット
- 作業工程表の作り方
- おすすめのツール
- 作業工程表の作る際の注意点
ぜひ参考にしてください。
プロジェクトに必要な作業工程表とは
作業工程表とはプロジェクトなどを管理し、円滑に進めるために活用する計画表のことです。
プロジェクトのシーンに応じて、さまざまな種類が作成されています。
シーンに応じた工程表を作成することでやるべきことが明確になり、スムーズにプロジェクトを進めることが可能です。
作業工程表はプロジェクトに欠かせないものですが、次の項目より具体的にどのような目的があるのか解説していきます。
作る目的
プロジェクトを行う際に作業工程表を作る目的は、プロジェクトで必要な工程を見える化することで作業工程を明確にすることです。
プロジェクトの作業工程を明確にすることで、役割分担やプロジェクトの進み具合など、さまざまなことをチームで共有できるようになります。
また、プロジェクトで発生するタスク等も明らかになるため、その時に取るべき万全な行動を瞬時に取れるようにもなります。
このようなことから、作業工程表にはプロジェクトをスムーズに進める目的があり、プロジェクトの成功にとても重要な役割を果たすのです。
重要性
続いて、プロジェクトを行う際に作業工程表が重要な理由を解説していきます。
プロジェクトは、基本的にさまざまな作業を行わなければなりません。
その際に作業工程表を作成しない場合、担当者や作業の進み具合の確認などで時間がかかってしまいます。
しかし、作業工程表を作成することで作業に移る前に役割分担を決めることができ、作業の進み具合の確認も容易になります。
そのため、プロジェクトを行う際には、作業工程表を作成し、効率よく行うことがとても重要です。
作業工程表を作成することで無駄なコストを割かずに済むため、作成コストはかかるものの、結果的に多くのメリットがあります。
種類
プロジェクトにはさまざまな種類があるため、それに対応するため作業工程表にもさまざまな種類があります。
ここでは、作業工程表の種類について解説していきます。
作業工程表の種類は大きく分けると「バーチャート」と「ガントチャート」「ネットワーク」の3種類があります。
バーチャートは縦軸と横軸が存在した工程表であり、縦軸に作業項目を記入し、横軸には時間を記入します。
ガントチャートは、先ほどのバーチャートと似ている作業工程表です。
縦軸と横軸があり、縦軸には作業工程を記入し、横軸には作業の進み具合を記入します。
ネットワークは、プロジェクトの作業の手順がわかるように作業工程を矢印で結ぶ作業工程表です。
基本的には、この3種類の作業工程表を利用し、プロジェクトの管理を行っています。
作業工程表を作るメリット
作業工程表を作ることにはさまざまなメリットがあります。
ここでは、作業工程表を作るメリットを解説していきます。
作業工程表を作るメリットは以下の通りです。
- プロジェクトの作業工程を明確にできる
- プロジェクトの役割分担がやりやすくなる
- プロジェクトの作業時間を共有できる
- プロジェクトの進み具合がわかる
- プロジェクトのタスク管理が行いやすくなる
プロジェクトの作業工程を明確にできる
作業工程表を作る1つ目のメリットは、プロジェクトの作業工程を明確にできることです。
プロジェクトを行う際に作業工程表を作成しなかった場合、プロジェクトにどのような作業工程が必要なのか分からない状態で行うことになります。
小さなプロジェクトでは、作業工程が分からない状態でも何とかなる場合が多いです。
しかし、プロジェクトの規模が大きくなるにつれて作業工程が複雑になるため、作業工程がわからない状態では最悪プロジェクトの失敗につながります。
そこで、作業工程表を作成することでプロジェクトの作業工程が明確になるため、プロジェクトを安全に完遂することが可能になります。
このようなことから、プロジェクトを行う際には、作業工程表を作り、作業工程を明確にすることがとても重要です。
プロジェクトの役割分担がやりやすくなる
作業工程表を作る2つ目のメリットは、プロジェクトの役割分担がわかりやすくなることです。
プロジェクトは基本的に作業工程が多いために一人では行えず、プロジェクトを行うためのチームを作成します。
しかし、作業工程表がない状態でチームを作ってしまうとどのような作業があるか明確になっていないことから、効果的なチームを作れない可能性が高いでしょう。
そのようなときに、作業工程表を作ることでプロジェクトの作業工程が明らかになり、効果的なチームを作ることが可能になります。
また、チームの中でプロジェクトの役割分担を行う必要がある場合が多いため、作業工程表によって作業工程を明確にしておくことはとても重要です。
プロジェクトの作業時間を共有できる
作業工程表を作る3つ目のメリットは、プロジェクトの作業時間を共有できることです。
先ほども解説したようにプロジェクトは、基本的にチームで行います。
そこで、作業工程表を作ることで作業工程が明確になり、1つの作業にかかるおおよその時間を共有できます。
作業時間を共有することで想定以上に時間がかかってしまっている作業に他の人材を送ることも可能になります。
一方、想定よりも早く作業が終わった場合には、他の作業工程を行うことも可能です。
このようなことから、作業工程表を作ることでプロジェクトの作業時間を共有でき、チームで協力し合いながらプロジェクトを完遂できるようになります。
プロジェクトの進み具合がわかる
作業工程表を作る4つ目のメリットは、プロジェクトの進み具合がわかることです。
プロジェクトを作業工程表を作らずに行うと、どのくらいの作業工程があるのか分かりません。
そのため、プロジェクトがどの程度進んでいるのか分からなくなってしまいます。
そこで、作業工程表を作ることで、プロジェクトにどのくらいの作業工程があるか明らかになります。
作業工程が明らかになることで、現在どのくらいプロジェクトが進んでいるか明確になるため、プロジェクトの進み具合がわかるようになります。
特に規模の大きなプロジェクトを行う場合には、作業工程表を利用し、進み具合を明確にすることが重要です。
プロジェクトのタスク管理が行いやすくなる
作業工程表を作る5つ目のメリットは、プロジェクトのタスク管理が行いやすくなることです。
プロジェクトを行っている際に重要になることがタスク管理になります。
優れたチームがプロジェクトを行っていたとしてもタスク管理が行われていない場合は、良い成果を挙げることは不可能に近いのです。
そのため、作業工程表を作成し、プロジェクトで必要なタスクの管理を行うことにより、成果につながる可能性が高まります。
このようなことから、プロジェクトにおいて優れたチームと同じくらい作業工程表を作ることは重要です。
プロジェクトの作業工程表の作り方
プロジェクトにおいて重要な作業工程表は、表計算ソフトを利用することで作成することが可能です。
そこでここでは、エクセルとGoogleスプレッドシートを利用した作業工程表の作り方を紹介します。
エクセルでの作り方
エクセルで作業工程表を作る場合、まずプロジェクトから必要な情報を洗い出します。
プロジェクトから必要な情報を洗い出す際に以下のことを必ず洗い出すようにしましょう。
- 作業工程
- 作業手順
- 作業の開始日・完了予定日
- 作業の担当者
必要な情報を洗い出せたら、続いてエクセルで作業工程表の骨組みを作成していきます。
本記事では、15日のプロジェクトを10人で行うことを想定して作成しています。
骨組みの作成は以下の手順で行います。
- A3からA11、R13までを選択し、「羅線」の「格子」を選択します。
- A3に作業工程・作業手順を記入します。
- B3に作業開始日・完了予定日を記入します。
- C3に担当者を記入します。
- D3からR3までに日付を記入します。
これで骨組みは完成ですが、列の幅などを狭くしたい場合には、狭くしたい範囲を選択した状態で右クリック「列の幅」で数値を入力することで幅の調整が可能です。
骨組みの列の幅の調整が完了したら、作業工程表の完成です。
利用する際は、塗りつぶし機能などを活用することでタスク管理が可能になります。
Googleスプレッドシートでの作り方
Googleスプレッドシートでの作業工程表の作り方は、先ほど解説したエクセルとほとんど同じです。
異なる点は「羅線」が「枠線」になることと、「列の幅」が列の番号で右クリック「単一行のサイズ変更」になることです。
紙と付箋を使った作り方
当社ビーイングコンサルティングでは、実際にお客様のコンサルタントを行う際に、紙と付箋を使った作成方法を提案しています。
エクセルやGoogleスプレッドシートとは違い、紙や付箋を使用するのはアナログな手法だといえます。
しかし、紙ベースだからこそ関係者全員が全体を俯瞰的に把握できるのがメリットです。
結果として無駄なタスクの排除や議論活性化といった効果が期待できるでしょう。
過去にコンサルタントを行ったオリンパス株式会社様では、次のような形で作成を進めました。
このように紙や付箋を使って全体像をまとめた後、当社が提供するプロジェクト管理ツール「BeingManagement3」へと内容を落とし込みます。
さらに詳しいプロジェクト改革の様子を知りたい方は、こちらの事例記事をご覧ください。
関連記事:【オリンパス様】 プロジェクト状況の見える化による問題への早期対策を実現
プロジェクトの作業工程表のテンプレート
プロジェクトの作業工程表を作成する際にエクセルやGoogleスプレッドシートで一から作るのもよいのですが、現在多くのテンプレートが存在しています。
テンプレートを利用することで一から作成する必要がなくなり、時短につながるため、テンプレートの活用がおすすめです。
そこでここでは、エクセルとGoogleスプレッドシートで利用できる作業工程表のテンプレートを紹介していきます。
エクセルのテンプレート
エクセルで作業工程表を作成するテンプレートには以下のようなものがあります。
Googleスプレッドシートのテンプレート
Googleスプレッドシートで作業工程表を作成する際には、以下のテンプレートを利用することがおすすめです。
- Googleスプレッドシートのテンプレートギャラリー「仕事」の「ガントチャート」
- Googleスプレッドシートのテンプレートギャラリー「仕事」の「プロジェクトのタイムライン」
プロジェクトの作業工程表を作る際におすすめ4つのツール
先ほどは、エクセルやGoogleスプレッドシートを利用した作業工程表の作成方法を解説しました。
エクセルやGoogleスプレッドシートでも作業工程表を作成できますが、直感的に誰でも簡単に利用できる訳ではありません。
そこでここでは、直感的に誰でも利用できる作業工程表におすすめなツールを紹介していきます。
おすすめなツールは以下の4つです。
- BeingManagemet3
- Lychee Redmine
- Backlog
- Jooto
BeingManagement3
ツール名 | BeingManagement3 |
主な機能 | ネットワーク図 ガントチャート リソース管理 バッファ管理 工程表作成 |
料金 |
要問い合わせ |
BeingManagement3は、当社ビーイングコンサルティングが提供しているプロジェクト管理ツールです。
システムを導入するだけで、進行中の全プロジェクトにおける開始日や納期、リソースの状況などを直感的に把握できます。
また、最適なタイミングでリソースを確保できるのも特徴です。
プロジェクトの危険度や作業の優先度を「赤・黄・緑」の色で表示することで、進捗に注意すべきプロジェクトへのリソース投入を事前に検討しやすくなります。
BeingManagement3は、単独のプロジェクトでも複数プロジェクトでも活用できる総合的な機能を備えています。
工程表作成だけではなく、プロジェクト全体をよりスムーズにコントロールしたい場合におすすめです。
Lychee Redmine
ツール名 | Lychee Redmine |
主な機能 |
ガントチャート |
料金 |
フリープラン:無料 |
Lychee Redmineは、さまざまな機能が搭載されているプロジェクト管理ツールです。
作業工程表に必要な基本的な機能はフリープランで利用できます。
その他、機能を追加したい場合は、スタンダードプランやプレミアムプランを利用することで多くの機能が使用可能になります。
また、企業向けにオンプレミスのプランも用意されているため、必要に応じて利用を検討してみてください。
Backlog
出典:Backlog
ツール名 | Backlog |
機能 | ガントチャート カンバンボード バーンダウンチャート 課題のテンプレート 属性のカスタマイズ |
料金 |
スタンダードプラン:月額12,980円 |
Backlogは、無料のプランがありませんが、無料で30日間お試しが可能であるため、自社に合っているか検証することが可能です。
プロジェクトの作業工程表を作成するために必要な基本的な機能はもちろん、課題をあらかじめ種別に設定しておく便利な機能なども搭載されています。
Jooto
出典:Jooto
ツール名 | Jooto |
機能 |
タスク管理機能(チェックリスト、ラベル設定、担当者の設定) |
料金 |
無料プラン:無料 |
Jootoは、シンプルにわかりやすくプロジェクト管理を行えるツールになります。
プロジェクトの進捗状況を確認する基本的な機能を搭載しており、無料から利用可能です。
また、直感的に操作が行えるようにシンプルなデザインのユーザーインターフェース採用しているため、ITリテラシーが低い方でも安心して利用できます。
プロジェクトの作業工程表を作る際の注意点
プロジェクトを円滑に進めるために作業工程表を作ることが重要ですが、作る際に注意しなければならないことがあります。
そこでここでは、プロジェクトの作業工程表を作る際の注意点を解説していきます。
プロジェクトに合っているものを利用する
1つ目は、プロジェクトに合っているものを利用することです。
良い作業工程表を作成できたとしてもプロジェクトに合っているものでなければ、作業工程表の効果を受けられません。
そのため、プロジェクトの情報をしっかりと洗い出し、プロジェクトに合っているものを選択するようにしましょう。
共有できるように設定する
2つ目は、共有できるように設定することです。
作業工程表を作成したとしても、プロジェクトチームに共有できないものでは、情報を共有できなくなってしまうため、意味がありません。
そのため、作業工程表を作成した時にプロジェクトチームのメンバーが共有できるように設定しましょう。
まとめ:プロジェクトの作業工程表は正しく作ることで効果が大きくなる!
本記事では、プロジェクトに必要な作業工程表のメリットや作り方について解説しました。
作業工程表を作ることでさまざまなメリットを受けられるようになります。
本記事で解説したことを参考に作業工程表を作成してみてください。
また、プロジェクトの遅延やマネジメントに課題を感じていらっしゃる方は、ぜひCCPMについて学んでみてください。
下記の資料でCCPMの詳細と、組織への導入ポイントを解説しています。