「PMBOK第6版と第7版の違いは?」

「PMBOK第7版は買えるのか?」

こんな疑問をお持ちでないですか?

PMBOKは移り変わりの激しい現代で変化に適応するために、第7版への改訂で大きく転換しました。

実際に買って読むこともできます。

そんなPMBOK第7版という言葉を一度は耳にしたことがあっても、詳しい意味までは知らない人も多いことでしょう。

そこで今回は、PMBOK第7版についてご紹介いたします。

本記事を読めば、

  • PMBOK第6版と第7版の違い
  • PMBOKが大きく転換した理由
  • PMBOK第7版は買えるのかどうか

がわかります!

ぜひ最後までご覧ください。

PMBOKとは?

PMBOK第7版について見ていく前に、そもそもPMBOKとは一体どういったものなのでしょうか?

PMBOKとはProject Management Body of Knowledgeの頭文字を取ったものであり、「プロジェクトマネジメントの知識を体系化してまとめたもの」です。

アメリカのPMI本部が発行していて、1996年に初版が刊行されてから4年に1回ペースで改訂されています。

今やプロジェクトマネジメントの国際的な標準となっており、PMP(PMI認定の国際資格)を受験する人のほぼ全員が取得に向けて勉強します。

なお、PMPを受験するには35時間分のPDUを取得する必要があるため、申し込みを検討している人は自分にPMPを受験する資格があるのか事前に確かめておきましょう。

ここで言うPDUとは「PMP資格の維持に必要な継続の学習を定量的に認定するための単位」で、1PDUは1時間に相当します。

PMBOK第6版と第7版の違い

PMBOKとは一体どういったものか分かったところで、続いてPMBOK第6版と第7版の違いを見ていきましょう。

PMBOK第7版とは?

PMBOK第6版から第7版への変更点について見ていく前に、そもそもPMBOK第7版とは一体どういったものなのでしょうか?

PMBOK第7版は「プロジェクトマネジメントの知識を体系化してまとめたPMBOKの最新版」です。

2021年8月1日に英語版の書籍がリリースされ、2021年10月26日には日本語に訳された形でも書籍の販売がスタートしました。

2017年9月に発表された第6版から約4年の月日が経ち、第7版への改訂を機に収録される内容がこれまでと大きく変わったことで注目を集めています。

PMBOK第6版から第7版への変更点

PMBOKが第6版から第7版へ改訂されたことで、いくつか変更点がありました。

下記の通りです。

  • PMBOK第6版は分厚かったが、PMBOK第7版では薄くコンパクトになります。ページ数が大幅に減り、重量も2㎏から800gにまで軽くなりました。
  • 成果物ではなく価値の提供にフォーカスしています。第7版では成果物の価値を最大化させることに重きを置くようになりました。
  • プロジェクトマネジメントのハウツー本からバイブル(聖書)になります。開発アプローチが多様化したことが影響しています。
  • 第6版までのナレッジおよびITTO(インプット・ツールと技法・アウトプット)が第7版でデジタルコンテンツ化します。

実際にPMI Standard+と呼ばれるPMIのデジタルコンテンツプラットフォームで、各業界向けのアジャイル開発のテンプレートを抽出することができます。

  • 「5つのプロセス」から「12の原理・原則」へ変わります。
  • 「10の知識エリア」から「8のパフォーマンス・ドメイン」へ変わります。

このようにPMBOKは第6版から第7版にかけて幾つか変更点がありました。

中でも「12の原理・原則」と「8のパフォーマンス・ドメイン」はPMBOK第7版を語る上で特に重要な項目であるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。

12の原理・原則

第6版の「5つのプロセス」が第7版では「12の原理・原則」に変わり、従来のプロセス重視から次の12のプロジェクトマネジメント・プリンシプルに重きを置くようになりました。

なお、プロジェクトマネジメント・プリンシプル(原則)とは「プロジェクトに参加する人々の行動の指針/ガイドラインとなるもの」を指します。

  • スチュワートシップ:責任を持ってプロジェクトを遂行すること
  • チーム:互いに尊重および協力し合うこと
  • ステークホルダー:利害関係者のニーズや期待に応えられるように関わること
  • バリュー(価値):成果を重視すること
  • システム思考:全体像と各要素が相互に影響を及ぼし合う関係を捉えること
  • リーダーシップ:周囲を奮い立たせつつ、影響を与えて指導することで自らも学ぶこと
  • テーラリング:状況や環境に応じ、価値を提供する方法を柔軟に調整して変えること
  • 品質:プロセスと結果に品質を組み込むこと
  • 複雑性:経験や知識を活かして複雑さに対処しつつ、プロジェクトを遂行すること
  • リスク:好機と脅威の不確実性に対処すること
  • 順応性と柔軟性:適応性と回復力を身に付けること
  • チェンジ・マネジメント:目指すべき未来を達成するために変化すること

8つのパフォーマンス・ドメイン

第6版の「10の知識エリア」が第7版では「8つのパフォーマンス・ドメイン(活動する領域)」に変わりました。

パフォーマンス・ドメインとは「プロジェクトで成果を上げるためにグループが一体となって働きかけること」です。

パフォーマンス・ドメインでは、行動の指針となる12の原理・原則に基づいて、次の8つの観点からプロジェクトを考えます。

  •  ステークホルダー(利害関係者)
  •  チーム
  •  開発アプローチとライフサイクル
  •  計画
  •  プロジェクト作業
  •  デリバリー(納品)
  •  測定
  •  不確実性

実際に8つのパフォーマンス・ドメインを呼ぶときは、「ステークホルダー○○」「チーム○○」といった具合に、○○の部分にパフォーマンス・ドメインが当てはまります。

各パフォーマンス・ドメインでは、プロジェクトの実行に際して必要な考え方などが少ないボリュームでまとめられています。

また、パフォーマンス・ドメインには成果のチェックリストが付いているため、プロジェクトの反省や振り返りをするときに役立ててみてはいかがでしょうか。

PMBOKが大きく転換した理由

ここまで改訂に伴うPMBOKの変更点について見ていきましたが、そもそもPMBOKはどうして第6版から第7版にかけて大きく転換したのでしょうか?

PMBOKが第7版への改訂で一新された理由は「目まぐるしく変化する昨今の情勢に適応していく必要が出てきたため」です。

多様化した現代は競争が激しく、技術が進歩するスピードがとても速いです。

その上、どれだけ懸命にプロジェクトをこなしたとしても必ず成果を上げられるとは限りません。 

こうした社会の変化や不確実性の高まりに対抗していくために、あらゆる状況や環境に応じて適応できるアジャイル型に移行する必要が出てきたのです。

その結果、プロジェクト管理の手法も、従来のウォーターフォール開発からアジャイル開発への移行を余儀なくされました。

なお、ここで言うウォーターフォール開発とアジャイル開発は、どちらもシステム開発の手法の一種です。

ウォーターフォール開発とは「上流の工程から下流にそって開発を進める手法」のことで、アジャイル開発とは「成果物の価値を最大化させることに重きを置く手法」のことです。

今までのPMBOK第6版の予測型のアプローチは理論的な側面が強く、ビジネスの場で実践にあまり活かせない印象でした。

しかし、第7版で適応型アプローチになってからは、より素早く柔軟に目の前の課題に対応できるようになりました。

とはいえ、従来の手法の考え方がPMBOK第7版にまったく取り込まれていないというわけではないので、注意しましょう。

PMBOK第7版を買いたい/読みたい

PMBOK第7版が一体どういったものか理解できたところで、実際に買って読んでみようと思いませんか?

PMBOK第7版はネットで簡単に手に入れられます。

PMI日本支部のオンラインショップから直接買うこともできますが、ECサイトでも購入できます。

値段は税込み1万円前後です。

PMI日本支部オンラインショップはこちら

下記では公式サイト以外の3つの入手ルートをご紹介いたします。

PMBOK第7版はAmazonでも購入できる

AmazonではPMBOK第7版だけでなく、PMP対策の参考書も発売されています。

Amazon購入ページはこちら

PMBOK第7版は中古でも購入できる

PMBOK第7版は中古でも売りに出されています。

新品でなくても気にならない人は、ECサイトやフリマアプリをチェックしてみましょう。

PMBOK第7版はkindleでも読める

PMBOK第7版は電子書籍でも読めます。

電子書籍はコンパクトで持ち運びに便利なため、移動中に読みたい人におすすめです。

電子書籍で購入できるページはこちら

まとめ:改訂のたびに生まれ変わるPMBOKを手に取ってみましょう

今回はPMBOK第7版についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

PMBOK第7版は「プロジェクトマネジメントの知識を体系化してまとめたPMBOKの最新版」です。

PMBOK第6版の「5つのプロセス」「10の知識エリア」がそれぞれ「12の原理・原則」「8のパフォーマンス・ドメイン」に変わるなど、PMBOK第7版では大幅な変更がなされました。

しかし、第7版でPMBOKが成果物ではなく価値の提供を重要視するようになったのも、プロジェクトマネジメントを学ぶすべての人を困らせたかったからではありません。

時代が移り変わるスピードが速く、変化に適応するためにはPMBOKの性質やアプローチを変更せざるを得なかったのです。

そんなPMBOKはPMI日本支部のオンラインショップやECサイトで手軽にお買い求めいただけます。

世界で通用するノウハウを学びたい人やPMPの資格を取得したい人は、プロジェクトマネジメントのバイブルPMBOK第7版を一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに、私たちビーイングコンサルティングは、TOCやCCPMを用いた業務改善のコンサルティング企業です。
これまで数多くの企業様へコンサルを行い、成果を挙げてきました。

「品質管理に役立つTOCについて、くわしく知りたい」という方は、以下より無料で資料をダウンロードしてください。

無料資料ダウンロードへのリンク