プロジェクトの納期遅延の原因の一つと考えられる、マーフィーの法則。
耳にしたことがあるものの、どのようなものかわからないという方がいるでしょう。
そこで、本記事ではマーフィーの法則の概要や代表的な例を紹介します。
後半では納期遅延を防止する管理手法も紹介しているため、プロジェクトを成功させたい方はぜひ参考にしてください。
マーフィーの法則とは
マーフィーの法則とは、日常生活や仕事などさまざまな場面で起こる滑稽で悲しい出来事をまとめたものです。
アメリカの航空工学者であるエドワード・アロイシャス・マーフィー・ジュニアがおこなった研究をきっかけに生まれたものであるため、マーフィーの法則と呼ばれています。
マーフィーの法則でいわれるものは、科学的に証明されているものもありますが、事実ではないものも含まれています。
マーフィーの法則例の一覧
この章では、マーフィーの法則の例を紹介します。
定番の法則例
マーフィー法則の中でも、多くの人に知られているものには、以下のようなものがあります。
- 失敗する可能性があるものは、いずれ失敗する
- トーストのバターを塗った面が下側で着地する確率は、カーペットの値段に比例する
マーフィーの法則の中でも、トーストのバターを塗った面が下側で着地することに関する法則が特に有名です。
イギリスの科学者ロバート・マシューズは、この法則が事実かどうか確認するための実験をおこないました。
その結果、高確率でトーストのバターを塗っている面が下になって着地することが証明されました。
さらには、バターを塗っている面を上にして着地させるためには、高さ3メートル以上のテーブルから落とす必要があることもわかったのです。
日常生活に関する法則の例
日常生活に関するマーフィーの法則を紹介します。
- 洗車をすると、雨が降る
- 急いでいるときに限って、赤信号にひっかかる
- 急いでいるときに限って、電車が遅れている
- 外出先で何かを捨てたいときに限って、ゴミ箱がなかなか見つからない
- 間違って電話をかけたときに限って、すぐに相手が電話に出る
- 車線を変更すると、さっきまで走っていた車線の流れが良くなる
- スポーツ観戦中に中座しているときに限って、得点が入る
- 傘を持って出かけると、雨が降らない
- お茶をこぼすと、大事な書類がある方向にこぼれる
- 髪型をきれいにセットできた日にかぎって、強風で髪型が崩れる
- 先生に指名された問題に限って、唯一解けない問題である
仕事に関する法則の例
仕事に関するマーフィーの法則を紹介します。
- 急いで対応した仕事ほど、なかなか必要とされるタイミングがこない
- 調子の悪い機械を人に見せようとすると、通常通りに動く
- 忙しいときほど、問題が発生する
- 一人退職すると、続々と他の退職者が出る
- 集中しているときに限って、電話がかかってくる
- 楽しみな予定があるときに限って、残業になる
マーフィーの法則は納期遅延を引き起こす原因のひとつ
プロジェクトは計画通りに進むことは少なく、前述のマーフィーの法則例で紹介した通り、忙しいタイミングで問題が発生する場合があります。
その結果、プロジェクトがスムーズに進まなくなり、納期遅れや低品質な成果物の納品といったトラブルにつながるのです。
マーフィーの法則以外にも、プロジェクトが遅延する原因には以下のようなものがあります。
- 学生症候群
- パーキンソンの法則
- 早期完了の未報告
学生症候群とは、時間的に余裕がある状態の場合、着手タイミングを遅らせる人間の特性のことです。
ビジネスにおいて納期まで余裕がある状態でも、プロジェクトの開始タイミングを遅らせたり、他の作業を優先したりすることで、最終的にバッファがなくなって納期遅延を引き起こします。
パーキンソンの法則とは、本来の仕事量に関係なく、与えられた時間すべてを使い切るように仕事を進める人間の特性のことです。
ビジネスにおいてバッファを設定していても、バッファをすべて使い切るペースで仕事を進めてしまいます。
早期完了の未報告とは、早期にタスクが完了したとしても、そのタイミングで完了報告をしないことです。
早期に完了報告をおこなうと、次回から作業にかける時間を短縮されたり、見積もりの精度を疑われたりすることを避けたいという気持ちから引き起こされます。
ちなみに、以下の記事で納期遅延を引き起こす原因についてさらにくわしく説明しています。
興味がある方は、ぜひ併せてご覧ください。
プロジェクトが遅延する理由とは?人間心理の罠や解決方法も紹介
マーフィーの法則による納期遅延を防止する管理方法
マーフィーの不足による納期遅延を防止する方法に、CCPMが挙げられます。
CCPMとは、バッファをタスクごとではなく、クリティカルチェーンの最後に設置する管理手法で、バッファの消費率を簡単に把握可能です。
従来の管理手法では、各タスクごとにバッファを設置していました。
そのため、プロジェクト全体であとどのくらいバッファがあるのかは把握することが困難でした。
マーフィーの法則で起こるプロジェクトにとってマイナスな出来事に対応方法を考える際に、後どのくらいバッファがあるのか把握している場合はそれに応じた適切な対処法を選択できます。しかし、把握できていないと、想定以上に時間を費やさなければならなくなってしまう事もあります。
それが遅れとなるのです。
CCPMではクリティカルチェーンの最後にまとめて設置することで、無駄なバッファの消費を避けているので、結果的に納期遅延を防止できます。
まとめ:CCPMでマーフィーの法則による納期遅延を防止しよう
マーフィーの法則は、プロジェクトの納期遅延を引き起こす原因のひとつです。
プロジェクトでは問題が発生することが多く、忙しいタイミングで予期せぬ問題が発生して、プロジェクトが遅延する場合があります。
CCPMを実践することでバッファを可視化できて、マーフィーの法則による納期遅延を防止可能です。
「管理しているつもりが、いつもなぜかプロジェクトが納期ギリギリになる」という方は、ぜひこの機会にCCPMの導入を検討してみてください。