スコープマネジメントをご存じでしょうか。
スコープマネジメントは、働く人が仕事に満足しながら働くためにも重要な考え方です。
「まとまりがない」
「いつもグダグダなまま仕事が終わる」
このような悩みを抱えている方は、スコープマネジメントで解決できるかもしれません。
今回は、スコープマネジメントの概要やメリット・意義を紹介いたします。
プロジェクトの完全成功を成し遂げるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
プロジェクトマネジメントにおけるスコープとは
スコープとは、日本語に直訳すると「範囲」を意味します。
プロジェクトマネジメントの世界においては、「やらなければならない作業範囲」を指す言葉がスコープです。
例えば、システム基盤のプロジェクトでは、基盤となるサーバーの調達や構築作業。
また、構築作業の中でも、OSのインストールなどがプロジェクトのスコープと呼ばれます。
スコープを管理することで、プロジェクトの精度は大きく向上します。
スコープマネジメントとは
スコープマネジメントでは、スコープを管理することで、確実にプロジェクトを成功させることを目指します。
プロジェクトの目標達成に向けてやるべきこと、もしくはやるべきではないことを明瞭にするといったものです。
何をするかしないかを明確にしておかないと、必要のないタスクの発生やタスク漏れ、結果として期待とはズレた成果物が完成します。
特にプロジェクトの成功への導く役割のあるプロジェクトマネージャーの方は、知っておくことで仕事に大きく貢献するでしょう。
プロジェクトスコープとプロダクトスコープの違い
プロダクトスコープでは、プロジェクトを通じて「何を作り出すのか」を定義します。
開発すべきプログラムやシステム、製作する物品などが何なのかを利害関係者と協議し決定。
一方、プロジェクトスコープでは、プロダクトスコープを作成するために「何を行うのか」を定義します。
例えば、システム開発を行うのに必要な検品・構築作業や必要な部品を運ぶ作業などがこのプロジェクトスコープに当たります。
プロダクトスコープが目的なのに対し、プロジェクトスコープは手段と言えるでしょう。
ちなみに、プロジェクトスコープは、成果物スコープと呼ばれることもあります。
スコープマネジメントを実施するメリット
ここでは、スコープマネジメントを実施するメリットを紹介いたします。
- 利害関係者にとって満足のいく結果が得られる
- プロジェクトの完全成功を実現できる
利害関係者にとって満足のいく結果が得られる
スコープマネジメントを実施することで、利害関係者の満足度が上がります。
プロジェクトを通じて利害関係者の満足度を高めるためには、プロジェクト実施前の期待以上の結果を得なければなりません。
しかし、現実には利害関係者の期待は時によって変わることもあり、まだ想定外のトラブルや要件が増えて思うような結果が得られないこともしばしば。
「何を」「どこまでやるか」を継続的かつ具体的に決めていくことで、期待が大きく左右されることを防ぎます。
結果として利害関係者の認識がズレることなく、最終的には期待通り以上の出来であると評価されることに繋がります。
プロジェクトの完全成功を実現できる
ステークホルダーの満足は、プロジェクトの完全成功に繋がります。
なぜなら。スケジュール通りに事が運び決められた成果物を顧客に納品したとしても、一部のステークホルダーが結果に満足できなければプロジェクトは成功したとは言えません。
例えば、自分は仕事を全うしたと思っていても、顧客からは微妙な反応をされて困ってしまったことはありませんか?
プロジェクトは、常に決められたことを淡々とやれば上手くいくものではありません。
随時何をどこまでやるか明確にし、臨機応変にコントロールする必要があります。
スコープマネジメントに含まれる作業
ここでは、スコープマネジメントに含まれる作業を具体的に説明致します。
- プランニング
- 要件の収集
- スコープの定義づけ
- WBSの作成
- スコープの実証
- スコープの管理
①プランニング
まず、スコープを計画します。
プランニングのフェーズは顧客へのヒアリング前に行いましょう。
結果として、作業をどのように進めるかの大枠を示すことになり、物事が素早く進みます。
スコープの計画をある程度練っておくことで、顧客との折衝がスムーズに進みます。
②要件の収集
顧客など各ステークホルダーが求めている要件を収集します。
要件収集のコツは、予め制限を設けることです。
制限なく要件を聞いてしまうと、後から追加の要件が顧客から継続的に求められ、要件にまとまりが見えません。
例えば、期限は月末までや人員が3人で実行可能な範囲でというように制限をつけてヒアリングしましょう。
さまざまなアイディアが出てくるのは良いことですが、あまりに要件の洗い出しに労力をつぎ込むとプロジェクトマネージャーの労力が掛かり、肝心なマネジメントが疎かになることもあります。
③スコープの定義づけ
このフェーズでは、収集した要件を踏まえてスコープをより詳しく定義します。
定義づけを行うことで共通認識が生まれます。
定義したスコープによってプロジェクトの方向性は大きく左右されるため、このフェーズは非常に重要なフェーズと言えるでしょう。
④WBSの作成
プロジェクト全体の作業を細かく分解したWBSを作成しましょう。
ここまでで実施してきた要件収集や定義づけでまとまったタスクをWBSに落とし込みます。
効率的に作成するためにも、WBSはゼロから作成するのではなく雛形を用意しましょう。
WBSを作成することでプロジェクトが可視化され、メンバーのタスクが漏れることを防ぎます。
⑤スコープの実証
スコープが具体化したら、スコープが妥当なものなのかを検討しましょう。
実証を経ることで、より精度の高いスコープが完成します。
例えば、成果物とスコープの整合性の検証を行います。
ここで問題が認められた場合、スコープをより適切なように修正します。
⑥スコープの管理
スコープの管理では定められているスコープへ調整することを目指し、2種類のスコープであるプロジェクトスコープとプロダクトスコープを管理します。
最初にプランニングした計画と現在の状況に乖離がある場合、正常な方向へとプロジェクトを是正します。
また、成果物がスコープに沿ったものじゃない場合も作り直しや修正の必要が発生するでしょう。
逆に言えば、スコープのベースラインと要素成果物の現状を比較・分析して差異がない場合は、スコープの管理フェーズを経る必要はありません。
差異が大きい場合も、スコープの管理され漏れなく対応すれば問題なく是正できます。
まとめ:スコープマネジメントでプロジェクトの目標達成率を高めよう
今回の記事の内容を以下にまとめました。
- プロジェクトマネジメントにおいて、スコープは作業範囲を意味する
- スコープマネジメントで利害関係者の満足感が高まる
- プロジェクトの完全成功を目指すなら、スコープマネジメントが必須
- スコープマネジメントでは、随時スコープの是正を図ることが重要
- スコープは可視化すべき
スコープマネジメントは顧客などの利害関係者の満足度を高めるために必要不可欠です。
利害関係者の満足度が高ければ、プロジェクトの完全成功に大幅に近づきます。
ちなみに、CCPMにおける「ODSCの作成」でプロジェクト参加者の目的・成果物・成功基準を共有することは、スコープマネジメントでやろうとしていることと一致しています。
スコープマネジメントについて詳しく知らなくても、CCPMを導入することでスコープマネジメントをおこなうことが可能なのです。
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