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コラム

           
プロジェクトを遅延させる人間心理の罠

 

皆さん突然ですが、「プロジェクトの特徴とは?」と問われたら、どのような特徴を思い起こすでしょうか。

 

例えば、

・新しい何かを生み出す活動である
・予期できない作業がたくさんある
・チームで進めていくものだ(時には協力会社と組んで!)
・工程や作業が多岐にわたり、複雑に絡み合う
・納期や期日が決まっている
・トラブルはつきものだ!

 

などと、思われたのではないでしょうか。

 

そうです、プロジェクトはこれらの例からもわかる通り、新規性が高く、複雑で「不確実性が高い」活動になります。
そして時には、作業にかけた時間と成果が比例しない、なんてこともよく起こりますね。

 

では、この「不確実性が高い」プロジェクトという活動を無事に完遂するためには、どのような対処をすればよいのか?
どうすれば、予期せぬことが起きても期日や時間内に終わらせることができるのでしょうか?

 

そうです、我々はなにか不確実なことが起きても、期日に間に合わせることができるよう、保険として作業やタスクにバッファを設けて計画を立てます。

 

プロジェクトに設けられたバッファの例

このバッファがあれば、不確実なことが途中発生しても、そのバッファが遅れを吸収してくれるので、安心ですね。そして各タスクがバッファを含んだ期日内で完了していけば、必然とプロジェクト全体の期日も守れることになります。

 

これで、プロジェクトを無事に完遂する可能性は限りなく高まったのでしょうか?

いやいや、そうは甘くありません。

 

実は、このプロジェクトの「不確実性の高さ」に対処するために設けたバッファは『人間心理の罠』により浪費されてしまう可能性が高いのです。

 

今日はこのバッファを浪費させてしまう『人間心理の罠』を3つご紹介したいと思います。

 

■人間心理の罠1. 学生症候群

なんかキャッチーなネーミングですが、まず一つ目の罠がこの「学生症候群」です。
これは、時間的に余裕がある状況下で、人はその作業の開始時期を後倒しにする傾向が高くなるという人間特性です。
皆さんも学生時代に、夏休みの宿題はギリギリになって開始していた、なんてことはありませんでしたか?
このように、時間的余裕がある(バッファがある)状況化では、その開始時期が遅れたり、余裕があるから別の作業を優先させたりして、結局バッファを食いつぶしてしまうのです。

学生症候群イメージ

 

 

■人間心理の罠2. パーキンソンの法則

2つ目は「パーキンソンの法則」です。
この法則はイギリスの政治学者であるパーキンソン氏によって提唱されました。

 

その法則は何かといえば、
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する(第一の法則)」というものです。
(C.N.パーキンソン著、森永 晴彦訳『パーキンソンの法則』至誠堂選書,1991年)

つまり、人は実際の作業やタスクの仕事量に関係なく、計画時に与えられた期間を全て使いきるように仕事を進めてしまう特性があるのです。
これでは、計画時に設定したバッファも使いきるように、仕事が進んでしまいますね。

 

パーキンソンの法則イメージ

 

■人間心理の罠3. 早期完了の未報告

3つ目は、「早期完了の未報告」です。
皆さん、もしご自身が作業されたタスクが、予定より早く完了したらどうしますか?
次工程の担当者やマネージャーに早く完了したことを報告しますか?

実はこの作業が早期完了した場合でも、多くの場合その報告はなされません。

なぜなら、
・早く完了したことを報告すると、次回の作業期間を短縮される
・見積の精度を疑われる
・早く終わったことを報告しても得にならない

と、いった心理が働くからです。

 

このような心理が働くことにより、作業の完了報告はバッファを使い切った時点でなされることが多くなります。

 

早期完了の未報告イメージ

 

また、「早期完了の未報告」は、進捗報告のタイミングによっても起こりえます。
例えば、週に1回しか報告のタイミングがない場合、週の初めにタスクは完了していたが、
それ以降は報告ができず空白期間(未報告期間)が生まれてしまうのです。

 

 

ここまで3つの人間心理の罠をご紹介してまいりましたが、いかがでしょうか。
ご自身でも当てはまる点があったりするのでは、ないでしょうか。
(そういう私自身も「学生症候群」を起こしやすいタイプで、ギリギリになってから作業を開始して、痛い目を何度も見てきた過去があります・・・。)

 

 

このように、プロジェクトの不確実性を対処するために設けられたバッファは、人間心理の罠によって浪費されてしまう可能性が高くなります。
それでは、プロジェクトの「不確実性」はどのように対処すればよいのか、という問いについては、手前ミソとなりますが、CCPM(クリティカルチェーンプロジェクトマネジメント)のバッファマネジメントが有効となります。
バッファの消費度合いを管理し、無駄な浪費を防ぎます。

 

 

今日は少し長くなりましたので、このバッファマネジメントについて詳細を記載しませんが、ここまで述べたようなことが、皆さんの組織や企業で起こっているようであれば、是非、弊社までお問い合わせ下さい。少なからずご支援できる点があるかもしれません。

 

それでは、今日はこちらで失礼します。

 

コンサルタント 廣本 浩大

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