プロジェクト管理を行う際にガントチャートを利用して進捗を管理している際にイナズマ線を利用している方は多いのではないでしょうか?
イナズマ線とは、タスクの進捗率を結んだ線の事です。
このギサギサが左に伸びていれば予定よりも遅れている、右に伸びていれば予定よりも進んでいると視覚的に判断することができるツールです。
イナズマ線のメリットは
①遅れているタスクをピンポイントで見つけることができる
②遅れの度合いをイメージしやすい
などがあげられます。
たしかに、順調に進んでいるプロジェクトで1タスクだけ遅れていれば、容易にみつけることができ、集中して対策をとることができるでしょう。
しかし、複数の遅れが発生し、それぞれのタスクの長さも違う場合、遅れの度合いの比較ができるでしょうか?
どのタスクを優先するべきか判断できるでしょうか?
イナズマ線だけで判断するのは難しく、プロジェクトの状況やタスクの遅れ具合の比較を行うなど様々な分析を有識者が行って優先度を判断するでしょう。
つまり、有識者が分析しなければ「遅れているな。進んでいるな」程度の情報しか読み取ることができないため、遅れたタスクが複数あった場合、どちらを優先的に支援するかなどといった判断材料にはならいのです。
プロジェクトの遅れ具合・進み具合を正確に把握するためには、プロジェクトの構造上の問題を理解しなければなりません。
以下の図のように複数のタスクが合流して次の工程へと進むといったケースでは「全てのタスクが終わらないと次に進めない」という制限があります。
このような状況で、各タスクの進捗具合がバラバラで早く終わるタスクもあれば遅れるタスクもあった場合、以下の図のように一番遅れているタスクが完了してからからでないと次の工程に進むことはできません。結果、後工程は遅れてしまいます。
このようにプロジェクトの構造上、遅れは後工程に伝わるのです。
このことから「タスクの遅れによるプロジェクトへのインパクト」を把握するためには遅れたタスクの後工程にタスクがいくつあって、どのようにつながっているかを把握しなければなりません。
これをイナズマ線で表すと、以下のように遅れたタスク(開発B)の後工程全てが遅れるということになります。
タスクのつながりによってこのギザギザが現れる数などは異なってきますので、1つのタスクの遅れでギザギザが多く現れればプロジェクトへのインパクトが大きい、現れるギザギザが少なければプロジェクトへのインパクトは小さいと視覚的に判断できるでしょう。
しかしながら、複数のタスクに遅れが生じるとこのギザギザは複雑化し、どのタスクの遅れがどのくらい後工程に影響を与えるかは、もはやギザギザの数や深さでは追いきれないほどになるでしょう。
このことからタスクの遅れによるプロジェクトへのインパクトはイナズマ線では把握することができないため、複数のタスクが平行して進むプロジェクトで、どのタスクを優先的に支援するのか、どこに集中すべきか、ということを判断するのは難しいでしょう。
CCPMのバッファマネジメントを導入すればプロジェクトへのインパクトを正しく判断できます。 このバッファマネジメントがどのようにしてプロジェクトへのインパクトを導き出すのか、何をすればよいのか、といった内容は、弊社の無料セミナーでも触れておりますので、是非ご参加いただければと思います。
以上
コンサルタント
荻原 吉貴