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コラム

           
日常で感じるTOC~電車編~

日常生活において、時折「TOCの考え方に通ずるところがあるなぁ」と思うことがあるのですが、今回はその一つをご紹介させていただきます。

「後続の電車に遅れが発生しているため、当駅にてしばらく停車いたします。」
このフレーズ、電車内で聞いたことがある人は多いかと思います。
「急いでいるのに・・遅刻しちゃうよ・・」などとやきもきすることも多いのではないでしょうか。

なぜ後続の遅れを待たなければならないのでしょうか?その理由が以下のページでわかりやすく解説されていました。

運行間隔の調整について(東京メトロ)

 

理由を簡単にまとめると、「後続を待たずに先に行ってしまうと遅れている電車に混乱が発生してさらなる遅れを誘発してしまうから」ということだと思います。

これは「各電車の最適化」ではなく「(これから始点を出発する電車も含めて)全ての電車の最適化」を目指したものであり、この観点はTOCの考え方に通ずるところがあると思います。

 

では、どういった点が共通しているのか、具体的に見ていきたいと思います。

まず、電車を運営する鉄道会社の目的を考えてみます。おそらくこのようなことだと思います。

目的:より正確に・より多くのお客さんを輸送すること

この目的を達成するために、鉄道会社はありとあらゆる企業努力をされているかと思います。しかし、どれだけ努力しても防ぎようのない突発事項(我々は「マーフィー」と呼んでいます)が発生してしまうこともあります。
そのような突発事項が発生した時、電車に大幅な遅れが出たり現場が混乱したりすることで「目的」が阻害されます。また、別な見方をすると、組織として最大限のパフォーマンスが発揮できていない状況が発生する、とも言えます。

 

このような状況に陥った時、TOCでは以下のステップで改善を図ります。
※詳細については当サイトの[ TOC(制約理論)]の[5段階集中プロセス(継続的改善の5ステップ)]をご参照ください。

ステップ1:制約を特定する
ステップ2:制約を徹底活用する方針を決める
ステップ3:制約以外のすべてを、上記の決定に従属させる
ステップ4:制約を強化する
ステップ5:制約が解消したら惰性に気を付けて最初のステップに戻る

 

では、この5ステップをとおして、後続の電車を待つ理由について、少し理解を深めてみたいと思います(本来この5ステップは、遅れなどの”マーフィー”を解消するためではなく、仮に”マーフィー”が起きても、組織が高いパフォーマンスを維持できるように継続的な改善を繰り返すための考え方です)。

まずは「ステップ1:制約を特定する」です。これは「電車のキャパシティ(乗車可能な乗客の数)」と言えます。なぜならば、遅れが発生している電車にまだ何百人でも乗れる状況であれば粛々と遅れを取り戻すことだけに集中すればよく、他の電車も含めて大きな混乱が生じることは無いからです。

次は「ステップ2:制約を徹底活用する方針を決める」です。これは「乗客を複数の電車に分散させる」と言えます。なぜならば、遅れが発生している電車には乗客が殺到し満員状態となっているかもしれませんが、それ以外の電車にはまだ乗客が乗れる余裕があるはずだからです。

次は「ステップ3:制約以外のすべてを、上記の決定に従属させる」です。これは「各電車を同じタイミングで動かす」と言えます。なぜならば、遅れている電車よりも前を走っている電車の出発を少し遅らせて、後続の電車に乗る予定だった人を乗せることで乗客を複数の電車に分散させることができるためです。つまり、ステップ2で決定した計画を実行する手段がこのステップ3ということになります。
「より正確に・より多くのお客さんを輸送すること」という目的のためには、本来電車を運行する上で非常に重要なダイヤですら従属の対象として捉えます。

この「ステップ3」の結果が、冒頭のアナウンスに繋がっているわけですね。

今回の例は非常に短いスパンでの活動であるため「ステップ4」、「ステップ5」までは出てきませんが、中・長期的な活動の場合はこれらのステップも非常に重要です。

 

いかがでしょうか?TOCのアプローチとの共通点を感じていただけましたでしょうか?

もちろん、各鉄道会社がこのステップに則って現在の手段を構築したわけではないと思いますが、TOCはそのような「常識」を体系化したものであり、TOCをご紹介するまでもなく「常識」的な行動を当たり前に実行している組織がたくさんある点も非常に興味深いです。

しかし、一方で「TOCならこう考えるかなぁ・・」と思う場面に出くわすこともよくあります。我々の身の回りには様々なプレッシャーが渦巻いており、そのプレッシャーによって「常識」とは違う行動を取らざるを得ない状況が多々あると想像できるのですが、それらの具体的な場面については、また別な機会でお話しさせていただきたいと思います。

以上

チーフコンサルタント
渡瀬 智

 

この記事は、弊社サイトで過去に掲載していた内容を再掲載しております。

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