プロジェクトのマネジメントを行う立場になったら、必ず向き合う必要があるのが「プロジェクトのスケジュールマネジメント」。
スケジュールの管理、なんとなくでやってしまっている方もいるのではないでしょうか?
プロジェクトの進行において、スケジュールのマネジメントが正しく行われていることは、とても大切です。
今回はそんな、プロジェクト管理におけるスケジュールマネジメントについて解説していきます。
プロジェクトのスケジュールマネジメントとは
そもそも、プロジェクトのスケジュールの作り方が分からずに悩んでいるという方も多いと思います。
スケジュールマネジメントについて正しく理解することで、プロジェクトの円滑な進行が可能になります!
まずは、スケジュールマネジメントについて基礎から確認していきましょう。
スケジュールマネジメントの目的
まずプロジェクトのスケジュールマネジメントをおこなう目的を説明します。
スケジュールマネジメントの目的は、以下の通りです。
- プロジェクトを効率的に進行する
- プロジェクトの進捗を把握する
- チーム作業を円滑にする
プロジェクトを効率的に進行する
行き当たりばったりのプロジェクトでは、必ず無駄な時間や工程が生じてしまいます。
まずはスケジュールを立てプロジェクト完了までの地図を描いておくことで、ゴールまで淀みなく効率的に進行することが可能です。
プロジェクトの進捗を把握する
スケジュールを管理することはすなわち、常に進捗を把握するということでもあります。
立てたスケジュールは現状に対するものさしとなるもので、遅延への対応策などもあらかじめ盛り込んでおく必要があります。
チーム作業を円滑にする
スケジュールをプロジェクトに関わるメンバーが把握していることで、プロジェクトの進行は格段に円滑なものになります。
また、メンバーが互いの工程と内容を把握しておくことで、自発的なメンバー間の協力関係にもつながります。
スケジュールマネジメントを行うメリット
スケジュールマネジメントを正しく行うことで得られる、メリットについても確認しておきましょう。
メリットは、とにかくプロジェクトの「無駄」がなくなること。
スケジュールの作成時には前もって遅延の発生しそうな箇所を認識しておくなど、進行のシュミレートを充分に行うことが大切です。
実際の進行時に不測の事態が生じやすい箇所を想定しておくことで、集中して対策を練れるので、無駄な労力が減るのはメリットのひとつです。
また、進行開始後にも大きなメリットがあります。
同時に、プロジェクト開始後に進捗状況を容易に把握できるようになるのもポイント。
停滞した際にもあらかじめスケジュールと照らし合わせることで、問題の原因を探る時間が大幅に短縮できます。
スケジュールを立てる際のポイント2つ
スケジュール管理においてはまずスケジュールの設定が肝心です。
ここでは、プロジェクトのスケジュールの立て方について確認していきましょう。
目標と目的を確認しよう
スケジュールを考える際、まず明らかにしておきたいのがその目標と目的です。
達成したい品質やコスト、守りたい納期の確認といった基本的な内容だけでなく、明確な目標や目的の設定とメンバー内での共有が必要です。
このプロジェクトは何のために行われるのか?ということやその必要性についてメンバーが理解していないと、思わぬ遅延やトラブルを招くもとになります。
まずはプロジェクトの目標と何のためにやるのかの目的を明確にし、そこに至るまでの人員や時間・作業内容といった計画を練りましょう。
タスクに注目しよう
次に行うのが作業タスクの分解です。
まずはすべてのタスクを洗い出していきましょう。
作業全体を切り分けながら、抜けや漏れ・被りのないタスクリストを作成します。
タスクを洗い出したら、次に順序付けを行います。
タスク間の依存関係を考慮しながら、適切に並び替えることが大切です。
また、プロジェクトマネジメントはソフトやツールを使用することで、より便利に簡単に行えるようになります。
最近はプロジェクトのスケジュールを管理できるアプリなども登場し、スケジュールマネジメントは一層身近なものになりつつあります。
スケジュール通りにプロジェクトを進行するためのポイント
丁寧に立てたスケジュール、不測の事態にも対応しながら円滑な進行を目指したいでしょう。
ここでは、スケジュールに沿ってプロジェクトを進めるために、一般的に重要とされているポイントをご紹介していきます。
- 作業時間を明確に把握しておく
- バッファを考慮した作業時間設定をする
- 進捗状況は常にアップデートする
作業時間を明確に把握しておく
どの工程にどのくらい時間を要するか、正確に把握できていますか?
スケジュールマネジメントはタスクごとの作業時間をまず把握することが必須。
日頃からタスクにかかる時間を調査・計測しておくことも大切になります。
バッファを考慮した作業時間設定をする
スケジュールの設定時には、時間の切り詰めすぎは禁物です。
時間的余裕=バッファを見込んでおくことで、不測の事態が発生しても全体の遅延を食い止めることができます。
進捗状況は常にアップデートする
プロジェクト開始後も、常に情報共有は怠らないよう、また共有しやすい環境を整備しておくことは大切なマネジメントのひとつです。
スケジュールマネジメントと一言で言っても、プロジェクトの開始前から完了まで常に様々な要素と向き合いながら行う必要があります。
しかし、上記の一般的なポイントはしっかり守っているはずなのに、管理が上手くいかないというケースも存在します。
上手くいかない理由の多くが「プロジェクトに対して包括的に改善を行えていない」ことによるもの。
そこで、スケジュールの設定から進行までを包括的に改善できる方法のとしてご紹介するのが、マネジメント手法「CCPM」です。
以下で、CCPMについて解説していきます。
CCPMの活用でプロジェクトのスケジュールマネジメントを見直そう!
CCPMはTOCというマネジメント手法を基にした、プロジェクトマネジメントに効果的なマネジメント手法です。
TOCとは、日本語で「制約条件の理論」とも呼ばれるマネジメントを指します。
パフォーマンスを妨げている根本原因である制約条件に対し集中して改善を行うことで、可能な限り抑えた労力で大きな改善効果を得ることができます。
プロジェクト進行の改善が図れるCCPMとは
CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)は、TOCの中でもプロジェクトに特化した管理手法です。
特徴は、プロジェクトの期間に直結する最長の工程クリティカルチェーンに着目している点です。
このクリティカルチェーンに注目し、以下の4項目を実践することで安定したプロジェクトの策定と進行を行っていきます。
- プロジェクト全体の進捗の把握
- 遅延の危険性の可視化
- タスク優先度の明確化
- 適切なリソースを投入
CCPMを活用したプロジェクトの進め方
実際の活用に際しては、主に3つの手法を用いて進行の改善を行います。
- バッファマネジメント
- フルキット
- パイプラインマネジメント
バッファマネジメント
CCPMにおいて最も重要なのが、不確実性に対応するためのバッファの設定です。
やってしまいがちな「個々のタスクに対してそれぞれバッファを設定する」やり方は、どうしても無駄が多くなってしまうもの。
CCPMではプロジェクト全体を俯瞰的に捉えることで、プロジェクトそのものに対して戦略的にバッファを配置していきます。
フルキット
とりあえずやってみてから考える、という形でプロジェクトを進めるのは、実は停滞の大きな原因のひとつです。
CCPMでは、プロジェクトがスタートする前の段階にも着目し、改善を行っていきます。
準備すべき項目をリスト化し、メンバー間での確認を通じて共通認識を形成。
コミュニケーションを促すのも大きな役割のひとつです。
パイプラインマネジメント
戦略的なプロジェクト投入を可能にするための手法です。
この手法では、プロジェクト開始前に進行をシミュレーションしておくことで、プロジェクトやリソース投入の最適なタイミングを明確にしていきます。
無計画にプロジェクトを組み立てることをやめ、プロジェクトのスムーズな完了を実現するものです。
まとめ:プロジェクトのスケジュールマネジメントには包括的な取り組みが大切!
円滑なプロジェクト進行のためには、スケジュールマネジメントがとても重要になることを解説してきました。
スケジュールマネジメントでは、プロジェクト開始前の事前準備から、進行中の管理まで包括的に考えを巡らせる必要があります。
CCPMを導入することで、スケジュールマネジメントはもちろんプロジェクト全体に対しての改善が可能になります。
ビーイングコンサルティングは、数々の企業でCCPM導入を成功に導いてきたプロフェッショナル。
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