「プロジェクトメンバーが個々に動いていて、統率が取りにくい」
「協力し合うチームを作りたい」
このように考えているプロジェクトマネージャーも多いのではないでしょうか。
この場合、チームワークを向上することで、お互いに協力し合いプロジェクトを円滑に進めるチームを作れます。
本記事では、チームワーク向上のメリットやポイント、具体的な方法について紹介します。
プロジェクトマネージャーはぜひご参考ください。
チームワークとは
チームワークとは、チームに属するメンバーが協力し合って共同で作業を行うことを意味します。
学生時代に部活動や学園祭などでチームワークの重要性を体験したことがある人も多いかもしれませんが、ビジネスにおいてもチームワークは重要です。
チームのメンバーは、得意・不得意がそれぞれ異なります。
そのため、一人ひとりに最適な役割を与えてチームワークを構築することで、お互いの不得意分野を補い合いながら相乗効果を生み出して目標達成を実現可能です。
プロジェクトにおけるチームワーク構築のメリット
プロジェクトを円滑に進めて完遂させるためには、チームワークの構築が欠かせません。
チームワーク構築により、以下のメリットが期待できます。
一人では難しい目標も達成できる
一人では達成が難しい目標でも、チームメンバーが一丸となって取り組めば達成が可能です。
プロジェクトにおいては、QCDが重要となります。QCDとは以下の3つの要素です。
- Quality:品質
- Cost:コスト
- Delivery:納期
例えば、品質の高さを重視するあまり、予算がオーバーしたり納期に間に合わなかったりする可能性があります。
また、高品質なものを納期通りに完成できても、コストが高すぎると採算が合わなくなるでしょう。
しかし、実際にはQCDを満たすことは難しく、一人でプロジェクトを進めるとどれかが欠けてしまう可能性が高いです。
そこで、さまざまな得意領域を持つメンバーを集めてチームワークを構築することで、お互いに協力して補い合いながらプロジェクトを進められます。
結果として、QCDを満たしてプロジェクトを完遂できるのです。
生産性が向上する
チームワークが構築できれば、生産性の向上にもつながります。
それぞれの分野に特化したメンバーを複数集めても、チームワークがないと連携ができずにミスやトラブルを引き起こしかねません。
これでは、プロジェクトチームとして機能せず、業務が停滞したり品質が悪化したりするなど、生産性が低下します。
しかし、チームワークが構築できているとお互いに助け合いながら連携できるため、効率よくプロジェクトが進行します。
また、メンバー同士の得意・不得意な業務を考慮してタスクを配分してスケジュールを組めるので、より生産性の高いフローでプロジェクトを進められるでしょう。
モチベーションが向上する
チームワークが構築できているチームは、メンバーに最適な役割が配分されて、それぞれに権限が与えられています。
自分の得意分野で能力を発揮できるため、モチベーションの向上を見込める点が魅力です。
また、チームメンバーがお互いを認め合って信頼関係が構築できています。
自分のことを認めてくれる仲間がいること、何かあったら相談に乗ってもらえる環境ができていることは、モチベーションを高める要因となるでしょう。
シナジー効果が生まれる
一人ひとりが得意分野で高いパフォーマンスを発揮できるため、相互に作用しあってシナジー効果(相乗効果)が生まれます。
各メンバーのスキルや経験、考え方などを組み合わせることで、高い壁でも乗り越えられるでしょう。
また、お互いの得意分野に関するノウハウを教え合うこともできるため、一人ひとりのスキルアップにもつながります。
そのため「1+1=2」ではなく、より大きな成果を生むことができるのです。
時代の変化に対応できる
少子高齢化、IT化・DX化、グローバル化など時代は急速に変化しており、ビジネスを取り巻く環境も以前とは異なります。
時代の変化に対応するためには、個々の人材のスキルアップや意識変革だけでなく、チームが一丸となって立ち向かうことも重要です。
一人では限界がありますが、さまざまなメンバーが集まることで多角的な意見やアイデアが生まれ、時代の変化にも柔軟に対応できるチームを構築できます。
チームワーク向上のポイント
チームワークを高めるためには、何を意識したら良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで、チームワーク向上のポイントを5つ紹介します。
目標を共有する
チームワークを高めるためには、メンバー全員でプロジェクトの目標を共有することが重要です。
目標が共有されていないチームは、全員がバラバラの方向に向かってしまいます。
それでは、チームワークが発揮されずにプロジェクトが円滑に進みません。
したがって、目標という同じゴールに向かうことがポイントなのです。
目標を達成するためにチームとして何をすべきか、自分が何をすべきか、ということが明確になって個々のパフォーマンスが向上します。
一人ひとりの役割を明確にする
チームワークが高いプロジェクトでは、それぞれのメンバーに最適な役割が課されています。
役割に応じて裁量も与えられるため、メンバー自身も自分の役割に責任を持って行動でき、チームワークが向上します。
そして、お互いの役割が明確になるため適切にタスクを分担でき、効率よくプロジェクトが進むでしょう。
そのため、チームワークを向上したい場合は一人ひとりの役割を明確に定めることをおすすめします。
自主性を尊重する
メンバーの自主性を尊重することも、チームワーク向上には欠かせません。
チームワークを向上したいと思っても、それをメンバーに押し付けてしまうと反発が生まれます。
よって、メンバー自身がチームワークの重要性に気づき、自主的にメンバーとの関わり合いを大事にしようと取り組んでくれるように促すことが必要です。
コミュニケーションを円滑にする
プロジェクトメンバーのコミュニケーションを円滑にすることで、チームワークの向上につながります。
コミュニケーションが取れていないと、お互いについての理解が不足してチームワークが高まりません。
チームワークが高いチームは、情報共有や伝達だけでなく、相談やアドバイスなどのコミュニケーションが円滑です。
そのため、チームワークを向上したいのであれば、積極的にコミュニケーションを取れる環境整備に取り組みましょう。
プロジェクトマネージャーが適切に働きかける
「チームワークを高めましょう」と言うことは簡単ですが、メンバー任せにしたり押し付けたりしては、メンバーの自主性が損なわれます。
そこで、重要なのがプロジェクトマネージャーの働きかけです。
プロジェクトマネージャーが声掛けをしたりコミュニケーションの場を提供したりすることで、メンバーのチームワークに対する意識も高まり、自然とチームワークも向上するでしょう。
チームワークを向上させる方法の具体例
ここからは、プロジェクトマネージャーが知っておきたいチームワークを向上させるための具体的な方法を紹介します。
情報共有ができる環境を整備する
チームワーク向上にはコミュニケーションが必須ですが、なかなか全員が顔を合わせる機会を取ることが難しいチームもあるでしょう。
また、リモートワークや時短勤務など働き方が多様化している裏側で、コミュニケーションの希薄化が問題視されています。
そこで、プロジェクトメンバーが情報共有しやすい環境を整備することが重要です。
ビジネスチャット、グループウェア、スケジュール管理ツールなどを導入することで、気軽にお互いの意見を言い合ったり業務内容を把握したりできるようになります。
マネージャーとメンバーの1on1ミーティングを行う
チームワークを向上させるためには、一人ひとりの意識変革やスキルアップを行い、チーム全体を底上げしていく取組みがポイントです。
そのため、プロジェクトマネージャーは各メンバーとの1on1ミーティングを行い、向き合う時間を作りましょう。
1on1ミーティングでは、メンバーの不満や悩みを聞き取り、プロジェクトを進める上での不安要素を取り除いてあげます。
また、業務に関するフィードバックをして、スキルアップできる環境を作ります。
チームワークを良くするためにも、一人ひとりとの時間を確保することは重要です。
コミュニケーションを取れる場を提供する
チームメンバー全員でコミュニケーションを取り合う場の提供も必要です。
例えば、全員でダイアローグを行うと、お互いの意見を聞いて考えを理解し合うことができます。
また、ワークショップやチームビルディングゲームなどは、全員で共通の目標を達成するために協力体制が構築できるでしょう。
このように、コミュニケーションを取る場を提供し、チームワークを高めましょう。
マネージャーのチームマネジメント力を高める
チームワーク向上には、プロジェクトマネージャーの存在が必須です。
しかし、マネージャーを配置するだけでは意味がなく、メンバーに適切に働きかけてチームワーク向上を促せるマネージャーでなければいけません。
このスキルは「チームマネジメント力」と言い、メンバーに働きかけたり調整したりして、チームワーク向上へと導くものです。
そのため、マネージャーはチームマネジメント力を磨き、メンバーを適切に管理できるようにしましょう。
まとめ:チームワークを高めてプロジェクトを成功させよう
プロジェクトを円滑に進めるためには、メンバーが個人個人で動くのではなく、チームワークを発揮して全員で目標へと向かう体制が求められます。
チームワークを構築することで、生産性向上やモチベーション向上にもつながり、大きな成果を得られるでしょう。
チームワークを高めるためには、本記事で紹介したような働きかけを行い、メンバーが自主的に取り組める環境作りが必要です。
また、プロジェクトの生産性向上には、チームワークの向上以外にも「TOC」の考え方も役立ちます。
TOC(Theory of Constraints)とは、生産性を妨げている要素にリソースを集中投下して改善する手法です。
プロジェクトマネージャーはぜひ覚えておくと良いでしょう。
当社、ビーイングコンサルティングは、TOCに基づいてクライアント様の生産性向上を支援するコンサルティング会社です。
下記資料にてTOCについて詳しく紹介しているので、ぜひご参考ください。