img

コラム

           
プロジェクトマネジメントとクリティカルシンキング

今回は、クリティカルチェーンプロジェクトマネジメントで行っていることをクリティカルシンキングの視点で見てみようと思います。

私は、CCPMに出会う前は、プロジェクトマネージャーとして多くのプロジェクトを見てきましたが、なかなかプロジェクトを計画通りに進めることができませんでした。
そんな時、ある先輩に「プロジェクトマネージャーとして活動するなら、まずはクリティカルシンキングを学べ」と言われ、某MBAスクールのクリティカルシンキング講座を受講しました。


■プロジェクトマネジメント
マネジメントを日本語に変換するとほとんどの場合は「管理」と表現されますが、プロジェクトマネジメントとは、“プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して活動すること”です。

「管理者」というよりも「課題解決の責任者」というニュアンスの方が近いです。

プロジェクトは不確実性が高く、課題が発生することが前提です。
そのようなプロジェクトを成功裏に完了させるために必要なスキルは何でしょうか?

「プロジェクトマネジメントの8割はコミュニケーションだ」という表現をよく見かけます。つまり問題解決にはコミュニケーションスキルが求められ、プロジェクトの成功はそのスキルに左右されるということです。

したがって、プロジェクトマネジメントとは適切なコミュニケーションによってプロジェクトの課題を着実にかつ速やかに解決し、成功に導く活動といえます。

では、どうしたら円滑に最適なコミュニケーションを行うことができるでしょうか?
効率的に効果的なコミュニケーションを行うために、クリティカルシンキングを活用する方法があります。

■クリティカルシンキング
クリティカルシンキングは直訳すると「批判的な思考」となりますが、実際は「検討して評価する思考」です。

クリティカルシンキングは「Why(なぜ、そうなのか)」「When(いつなのか・いまなのか)」「What(何を考えなければならないのか)」「Who(だれが)」「How(どういうことなのか)」を常に自分の中で問いかけ続けて、立場の違う人、発想の異なる人、様々な人とコミュニケーションを行う際に暗黙の前提条件を推し量りながら、お互いの理解を成立させることができる思考方法です。


たしかに、プロジェクトの課題を解決するために、的確に課題をとらえ、解決の方向性を見出していく能力は必要だ。
それに関しては、「クリティカルシンキング」は有効だと、先輩のアドバイスに感謝しました。


さて本題です、ここからは、クリティカルシンキングの視点で、CCPMを見ていきましょう。

クリティカルシンキングには3つの基本姿勢があります。
1. 目的は何かを常に明確にする
2. 「枠組み」を考える
3. 前提条件、置かれた環境に合わせて考える


1. 目的は何かを常に明確にする
文字通り“何のためにこのプロジェクトを行うのか”を明確にします。
CCPMではプロジェクト計画の最初にODSC(目的・成果物・成功基準)を定義します。

ここはODSCのO(目的)の定義が該当します。

本来の目的を見失ってしまうと、問題の一部だけに注目したり、あちこち意味もなく検討したり、なかなか解決に至らなくなってしまいます。

例えば、今回のプロジェクトの目的が「5G対応のスマートフォン製品開発」の場合、本来の目的を見失って「折りたたみ式ディスプレイ」ばかり検討し、そこに時間やコストを費やしてしまっては意味がありません。

今回のプロジェクトで、何を実現したいのかを最初に押さえておくことが重要です。


2. 「枠組み」を考える
枠組みとは、課題を解決する為の複数のポイントの集合体です。
よって目的を見定めたら次に「どんな項目について考えれば、目的を達成できるのか」を考える必要があります。

ODSCのD(成果物)やSC(成功基準)の定義が該当します。

目的を達成するためには、何を作ったらよいのか、どのようなものを作ったらよいのかを定義します。
考える際に5W1Hを意識するのもポイントです。

例えば、業務改善が目的であるプロジェクトの場合、業務が混乱するタイミングは「いつ」なのか、「だれが」使う「なんの」業務なのか、「なぜ」混乱するのか、といったように考えていくと考える効率も上がります。


3. 前提条件、置かれた環境に合わせて考える
人はだれしも、何かを考える際には暗黙の前提(個人的価値観や過去の経験からの教訓)を置いているものです。
それはプロジェクト環境でも例外ではありません。
チーム間、部署間の成果物が集約するタイミングで、「どこまでのレベル/品質の成果物を作成しておけばよいか」ということが明確になっていないと、一方は「今回は最新技術を導入しよう」、一方は「今まで通りの方式でいこう」と、別々の基準の成果物となり、手戻り/やり直しが発生します。

CCPMではODSCのSC(成功基準)の明確化や、リスク/マネジメントリクエストの共有が該当します。

ODSCは、目的・成果物・成功基準の明確化によって、コミュニケーションを効率的かつ効果的に行うことができ、手戻り/やり直しの発生を防ぎ、プロジェクトの遅延を防ぎます。


CCPMの一つのポイントとして「ODSC」を取り上げました。
その他にもCCPMの大きな要素としての「バッファマネジメント」は、プロジェクトの一番長いつながり「チェーン」を効率的に消化するために(目的)、バッファへの影響度の大きなタスクから優先して実行します(目的達成の枠組み)。そのために、誰が見ても同じ基準で判断できる優先度があります(前提条件)。

プロジェクトマネージャーは、複数プロジェクトを効率的にマネジメントするために(目的)、プロジェクトの危険度の高いプロジェクトに注力します(目的達成の枠組み)。そのためには、プロジェクトを横断して一定の基準で判断できる指標が必要です(前提条件)。それはバッファ傾向グラフです。

クリティカルシンキングだけでは、プロジェクトを成功に導くことは難しいかもしれませんが、CCPMには「プロジェクトを成功に導く」というイシューに対して、様々な枠組みがちりばめられています。

言ってしまえば、CCPMが出来れば、クリティカルシンキングの知識が無くても、注力すべき課題を見つけ出し、適切に解決していくことが出来るようになります。
つまりプロジェクトマネージャーとして、適切なプロジェクト進行ができるようになるのです。

私がもし、プロジェクト管理で悩むプロジェクトマネージャーの部下や後輩をもった時は、「CCPM」を勧めるでしょう。

以上

コンサルタント 荻原 吉貴

case

弊社TOC事業の取引先企業と導入事例の一部をご紹介します。

ビーイングコンサルティング
【シャープ株式会社様】
わずか6ヶ月間で30%の開発リードタイム短縮

プロジェクトマネジメントを利用した企業文化のイノベーションは、いかにして実現されたのか――。シャープ株式会社にもたらした変革の過程を、実際のイノベーションリーダーの経験談を交えながら紹介する。

ビーイングコンサルティング
【マツダ株式会社様】
開発期間50%短縮を実現

マツダ社で開発・製造する自動車技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」のパワートレイン開発にCCPMを全面適用し、大成功を収めたマツダだが、改革の始まりは”草の根活動”がきっかけだった。マネジメントへの信頼がイノベーションを加速し、チームワークが最大化された過程を紹介する。

ビーイングコンサルティング
【東芝デジタルソリューションズ株式会社様】
完成品在庫68%削減

TOC導入をきっかけに「キャッシュフロー大幅改善」「リードタイム大幅短縮」「棚卸資産大幅削減」を達成した事例を紹介。そもそも、なぜTOCを導入する決断に至ったのか、また大きな組織で成功を収めるためには何が必要なのか、各過程を振り返りながら会社に起こった変化を追う。

seminar

弊社では定期的にTOCに関連するセミナーを開催しております。
ノウハウ、事例紹介、体験型と多様なスタイルのセミナーを用意しておりますので目的やご希望に沿ったセミナーにご参加ください。

ビーイングコンサルティング
8月31日開催 【いまこそ“変革”を実現しよう!】
”変革を起こしたい VS 変革を避けたい”の対立から抜け出す!
『プロジェクトマネジメントと組織に変革をもたらす条件とは』
ビーイングコンサルティング
8月24日開催 体験できるから理解が深まる
【CCPM流】プロジェクト計画の見える化ワークショップセミナー 2021夏
ビーイングコンサルティング
8月17日開催 【もう悩まない】プロジェクトの不安をなくす!
CCPMで見直すプロジェクトマネジメントセミナー
news
夏期休業のご案内
Youtubeチャンネルを開設しました
5 月連休に伴う休業のご案内
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください

弊社では日本における数多くの導入経験/成功経験を有しており、どのような業種・業態の組織でも幅広い知識とノウハウでお客様に最適なマネジメント変革をご支援いたします。無料での相談もできますので、なにかお悩みがありましたらぜひお問い合わせください。また無料で参加できるセミナーの随時開催しておりますのでぜひご参加ください。

imgpage top