ビジネスでは様々な場面で勝つことが求められます。
勝つためにはどのようなものが必要でしょうか?

人材、組織力、先見性など様々なものがあげられますが、変化の激しいビジネス環境においては、「スピード」こそ最も重要な要素と言えるでしょう。

スピードを得るにはどうすればいいでしょうか?
例えば、リソースの追加が考えられます。しかし、そうできない場合はどうすればいいでしょうか?
最も有効なのは「フォーカス」することです。

「フォーカス」とは何でしょうか?
一つの答えはこうです。

フォーカス = 「すべきことをする」

しかし、これではスピードを得るには不十分です。
リソースに限りがある中で「スピード」を得るための「フォーカス」はこうです。

フォーカス = 「すべきことをする」+ 「すべきでないことをしない」

しかしそのためには、まず「すべきこと」と「すべきでないこと」を知る必要があります。
どうすれば、「すべきこと」と「すべきでないこと」を判断できるでしょうか?
どうすれば、それが正しい判断だと言えるでしょうか?

ポイントは、「制約」に基づいているか、です。
「制約」は、組織やシステムにただ一つ(あるいは、ごく少数)存在し、組織やシステム全体の能力を制限している要素です。
そのため例えば、制約の最大活用を「すべきでないこと」としていたり、制約でないものの強化を「すべきこと」としていたりするような場合には、その判断は適切だとは言えません。

 

このような判断を行うためには、まず「制約」を特定する必要があるわけですが、どうすれば組織やシステムの「制約」を特定することができるでしょうか?
一本の鎖のようにシンプルなものなら、どこが制約かは容易に想像できるでしょう。
しかし、複雑と言われる組織やシステムではどうすればいいでしょうか?

その答えは「制約条件の理論(TOC)」にあります。
TOCは、「制約」、「すべきこと」、「すべきでないこと」を的確にとらえ、「フォーカス」することで限られたリソースでも圧倒的な「スピード」や「パワー」を得て勝つこと、
成功することを追求した結果生まれた経営哲学であり、方法論であり、様々なアプリケーションの総称です。

そのアプリケーションの一つが「クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネジメント(CCPM)」です。
CCPMは、制約 → フォーカス → スピード、の流れを生みだすことでプロジェクトに圧倒的なスピードをもたらし、品質やコストを犠牲にすることなく納期を守り、どこにも負けない商品やサービス、すばらしい価値や体験を、より早く・多く提供することにより、ビジネスで勝つことを可能にしてくれるプロジェクト管理の手法です。

つまりCCPM、ひいてはTOCは、変化の激しいビジネス環境で勝つための最強の武器です。

今後もCCPMとは何か、CCPMで何か変わるのかなどを中心に、理論的な背景も踏まえながら、なるべく分かりやすくポイントを紹介していきたいと思います。

以上

 

株式会社ビーイング
取締役 開発部長
宇治川 浩一

 

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