ビジネスについて調べていると、難しそうな略語に詰まってしまう…。
そんな経験はないでしょうか。
例えば、「TOC」という言葉。
マネジメントに携わる方なら聞いたことがある方も多いと思います。
なんとなくマネジメントの用語であることは分かっていても、その意味まで理解している方は意外と少ないもの。
TOCはマネジメントを行う立場の方はもちろん、ビジネスマンなら抑えておきたい、業務改善にとても効果的な考え方です。
今回はそんな有名マネジメント理論であるTOCについて、解説していきたいと思います。
そもそもTOCとは?
TOCは、イスラエルの物理学者であるエリヤフ・ゴールドラットによって提唱されたマネジメント理論です。
再現性の高いその方法論は、マネジメントソフトのべースとして発表されたのち、世界的なベストセラー小説「ザ・ゴール」で具体的なマネジメント方法が描かれました。
出版以降またたく間に大きな話題となり、アメリカをはじめ世界中で組織マネジメントに取り入れられることとなったTOC。
ここからは、TOCにまつわるよくある疑問を通して、さらに理解を深めていきましょう。
TOCでよく聞く「制約条件」とは?
ここまでTOCと呼んでご紹介してきましたが、実は「Theory of Constraints」の略語です。
読み方はセオリー オブ コンストレインツで、聞き馴染みのない単語が混じっていることでより難しく感じてしまうかもしれません。
Theory of Constraintsを日本語に訳すと「制約条件の理論」という名前になります。
名前の由来はそのまま、TOCが「制約条件」に注目して対策を行うマネジメント手法であることからきています。
制約条件とは、課題やパフォーマンスを低下させる根本的な原因である一部分のこと。
この制約条件に着目する点が、TOCの大きな特徴です。
「どんなに複雑なシステムでも、常に、ごく少数の要素=制約条件に支配されている」と仮定して改善を行っていきます。
勘違いしやすいTOCとトヨタ生産方式との違いとは?
プロジェクトの進行の改善に用いられることも多いTOCの手法。
正しく導入することで、プロジェクトマネジメントにも大きな効果をあげてくれます。
と聞くと、気になるのが超有名プロジェクトマネジメント方法である「トヨタ生産方式」との違いではないでしょうか。
ここではトヨタ生産方式との比較を通して、TOCの特徴に迫ってみたいと思います。
TOCもトヨタ生産方式も、工程の中で弱点になっている部分に注目し改善に取り組む点は同じです。
ですが、改善のためのアプローチの部分が異なってきます。
まずは改善の際に誰が主体となるのかという点。
TOCでは、制約の発見と改善の手順を、マネジメント担当者主導で決定していきます。
トヨタ生産方式では、自発的な改善を目標としており、現場で働く人達の創意工夫と能力アップをアシストすることで改善が行われます。
また、 収益をアップするための道のりにも違いが見られます。
TOCでは、 制約となる工程に注力して、その部分だけを改善することで収益の最大化を目指していきます。
一方、トヨタ生産方式では、生産量の平準化を目的に、設備や労働力のムダをなくすことで弱点を引き上げていく方法が取られています。
同じようにスムーズなプロジェクト進行と質の高い生産を目指している2つの手法ですが、細かく見ていくと上記のような違いがあります。
TOCを選択する大きなメリットは、制約に集中して改善を行うため、コストや労力を抑えながら大きな改善効果が得られる点です。
また、会社の規模や業種を問わず取り入れられるのもポイント。
プロジェクトマネジメント手法の導入を検討したら、とりあえずTOCを試してみる、といったことも可能です。
TOC導入による実際の改善効果は?
ここまでTOCの内容についてご紹介してきました。
「40年も前の古い考えが今も通用するの?」と疑問に思われている方もいらっしゃると思います。
TOCはその普遍性で現在も多くの企業で導入され、磨かれ続けているマネジメント手法です。
私たちビーイングコンサルティングがコンサルティングを行った、いくつか実際の導入結果を通して「実際に使える手法」であることをお伝えしていきましょう。
シャープ株式会社
抱えていた問題:売上高や利益の減少
↓
【導入結果】
- 導入開始から1年でソフトウェア部門の開発リードタイムを大幅に削減
- お客様指摘件数を20%削減
- バグ収束タイミングを25%前倒し
マツダ株式会社
抱えていた問題:企業変革や意識変革の実施後も低迷状態が続いていた
↓
【導入結果】
- 開発期間を50%短縮
- 成功体験の蓄積によるチームワークの最大化を実現
東芝デジタルソリューションズ株式会社
抱えていた問題:経営指標の変更により従来手法に限界がきていた
↓
【導入結果】
- POCにおけるリードタイムの40%短縮に成功
- 会社全体の棚卸資産を68%削減
- 製品リードタイムを41%短縮
ただの精神論ではなく、正しい運用により実際に数字として大きな成果を上げられることを実感していただけたでしょう。
また、TOCはプロジェクト管理だけでなく、業務改善全般に有効な手法でもあります。
取り入れられない部署はない!と言っても過言ではないほど、会社全体に対して改善効果が期待できるんです。
まとめ:プロのコンサルでTOCの導入の効果アップ
様々な改善に有効なTOCのマネジメント手法。
スムーズで確実な導入には、プロによるコンサルティングをおすすめしています。
ビーイングコンサルティングは、豊かな経験と実績で多くの企業でTOC導入を成功に導いてきました。
TOCの導入にご興味のある方は、ぜひ下記資料よりさらに奥深いTOCの世界をご覧いただければと思います。