* AQUOS R で撮影
シャープ株式会社は、2012年以降、長引く業績低迷と出口が見えない企業変革に悩んでいました。あらゆる構造改革策を実行するも、売上高や利益の減少は続き、まさに苦境に立たされていました。スマートフォンや新世代ケータイを開発している通信事業本部 パーソナル通信事業部でも、先の見えない不安と社内構造改革策による人員削減の影響もあり、社員の不安と疲弊はピークに差し掛かっていました。
* マネジメントイノベーション2017 シャープ様発表資料より抜粋
事業の安定と成長のためには、皆で一丸となって乗り越えなければならない、そのためには、マネジメントを変える必要がある。2016年、マネジメントの変革が急務となっていました。
今回、通信事業本部本部長代行 中野 吉朗 様とパーソナル通信事業部 副事業部長 八塚 康史 様 にインタビューを実施。TOC導入によるマネジメント変革が組織にどのような良い変化をもたらしたか、を語っていただきました。
会社そのものが課題を抱えていた時期
TOC導入を決めた2つのポイントとは?
-TOC導入時の状況を教えてください。
中野様:2012年と2015年に希望退職を募るような状況にあり 社内全体がかなり暗い状況でした。鴻海精密工業によるM&Aの話も出ていたため、将来の方向性が見えず、我々は一体どうなるのだろうと不安視している人が非常に多くいました。
八塚様:2015年は、多くの人が会社から離れていく状況でした。年末には、いかにモチベーションを上げるか、どうやって事業を維持して拡大していくか、という「カエル運動」を草の根的に行っていました。その一環で、無料のセミナーや講習会を開催していました。セミナーの一つがTOCでした。
当時、仕事の回し方に課題がある事は分かっていたので、それを見直すために社内の役割や機能を整理し始めていました。しかし、とても全部はできない。 全部を見るにはボリュームは大きいし、役割や機能は環境に合わせてどんどん変わっていきます。そのような時にTOCのセミナーで「全部見なくていい」と言われました。全部を見る必要がないならできるかもしれない、というのがTOCを始めた時の印象です。
-様々な活動をされていた中から、TOCを選ばれた理由は何ですか?
八塚様:理由は2つあります。1つ目は、先程も言いました「全部を見なくていい」こと。1つのポイントに着目するだけでプロジェクト全体をマネージメント(コントロール)できることです。
2つ目は、近隣にあるマツダ株式会社様で具体的な成功事例*1 があったことです。それならば、我々もやってみようと思いました。
*1. マツダ株式会社パワートレイン開発本部様が “SKYACTIV TECHNOLOGY” 開発プロジェクトにCCPMを全面適用した事例。
弊社シニアコンサルタント 後藤 智博 が導入を支援。