「デジタル人材とは、どのような人物を指すのか」
「どうやって効率よくデジタル人材を確保すれば良いのか」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
本記事では、企業間の厳しい競争を勝ち抜くうえで欠かせないデジタル人材についてご紹介いたします。
この記事を読めば、混同されがちなIT人材との違いや求められるスキル、デジタル人材を確保する方法も分かるようになります。
これからDXを推進しようと検討している方は、まず従業員を育成したり新たに採用したりしてデジタル人材を確保するところから始めてみましょう。
デジタル人材とは?
デジタル人材とは「最先端のデジタル技術に精通していて、そのノウハウを新たな価値の提供という形で組織に浸透させられる人材のこと」です。
企業のDX化が注目されるようになってから、ますます需要が高まっています。
特に、他社との厳しい競争を勝ち抜きたい企業はデジタル人材の確保に余念がなく、近年では自治体でもDXが推し進められています。
2022年3月には、経済産業省がデジタル人材の育成を推進するための実践的な学びの場を設け、同年4月には内閣府は女性のデジタル人材を育成するプランを発表するなど、政府もDX推進のためにデジタル人材を育成しようとしています。
このように、デジタル人材は官民問わず組織がDXを推進するのに欠かせない存在ですが、AIやIoT、ビッグデータ、5Gといったデジタル技術に関する見識だけを持っていれば良いというわけではなく、同時にビジネスの感覚も兼ね備えている必要があります。
デジタル技術に加えてビジネスにも精通していないと、共にDXを推進していくステークホルダー(利害関係者)と良好な関係を築いていくことができず、スムーズなDX化が果たせないからです。
デジタル人材とIT人材の違い
意味が混同されがちなデジタル人材とIT人材には、微妙な違いがあります。
IT人材について、経済産業省は「情報サービス業やITソフトウェア・サービスの提供事業に従事する人」をIT人材と定義しています。
一方でITを使いこなせるうえに、デジタル技術を駆使して企業のビジネスモデルや文化を変革させられるのがデジタル人材です。
そのため、デジタル人材とIT人材の違いは、「デジタル技術を駆使して企業のビジネスモデルや文化を変革させられるかどうか」だと言えるでしょう。
このように、社内に新たな価値を提供するのがデジタル人材で、実際に運用するのがIT人材だととらえることができます。
デジタル人材とIT人材は意味が似ていますが、微妙な違いがあるためしっかり区別しておきましょう。
国内におけるデジタル人材の現状
近年、数多くの企業がDXを推進するようになってから、デジタル人材の需要が年々高まっています。
実際に、独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が2021年度に行った調査では、DX推進に取り組んでいる国内の企業は56%いることが分かりました。
2020年度の同調査において41%だったことを考えれば、DXを推進する企業が1年間で15%程度も増えたことになります。
にもかかわらず、DXに関する知見やスキルは専門性が高いが故に、依然としてデジタル人材の不足した状態が続いています。
このように、国内におけるデジタル人材は需要に対して供給が圧倒的に足りていません。
デジタル人材は今後ますます需要が増えていくと予想されるため、DX推進に対応できる人材を育成したり採用したりして確保する必要があります。
デジタル人材に求められる知識やスキル
デジタル人材に求められる知識やスキルとして次の2つが挙げられます。
- ハードスキル
- ソフトスキル
ハードスキル
デジタル人材に求められる知識やスキルの1つとして「ハードスキル」が挙げられます。
ハードスキルとは、学習することで身に付く「技術的なスキルのこと」です。
たとえば、ITの基礎的な知識やUI・UXの知見がハードスキルの代表的な例だといえます。
UI(User Interface)とは「ユーザーと自社の商品やサービスとの接点のこと」を指し、UX(User Experience)とは「ユーザーが商品やサービスを通じて感じる体験のこと」です。
そのため、提供する商品やサービスは、ユーザーが見やすいデザインや使いやすい操作性に仕上げる必要があります。
ソフトスキル
デジタル人材に求められる知識やスキルの1つとして「ソフトスキル」が挙げられます。
ソフトスキルとは、コミュニケーション能力のような「対人関係のスキルのこと」です。
課題を解決させられる能力や調整の能力もソフトスキルだといえます。
こうした学習では身に付かないスキルは、共にプロジェクトを進めていくステークホルダー(利害関係者)とスムーズにやり取りをするうえで欠かせません。
技術的なスキルであるハードスキルは手順を覚えて、何度も繰り返せば身に付きますが、対人関係のスキルであるソフトスキルは日々の活動を通じて時間をかけて培われるため、簡単には身に付きません。
DX推進を担うデジタル人材はハードスキルとソフトスキルのどちらかのスキルではなく、両方を兼ね備えているのが理想的です。
デジタル人材を確保するには?
DX推進に欠かせないデジタル人材の不足が叫ばれるなか、どうすればデジタル人材を集められるのでしょうか。
デジタル人材を確保するには、次の3つの方法を実践しましょう。
- デジタル人材を育成する
- デジタル人材を採用する
- アウトソーシングする
ここからは、それぞれの方法を詳しく解説します。
デジタル人材を育成する
デジタル人材は、いまいる社員を育成すれば確保できます。
社内外からDX推進に精通した講師を呼んで研修やOJTを実施したり、仕事に役立つ知識やスキルを身に付けられる資格の取得をサポートしたりしましょう。
また、オンラインで社員がDXについて学べる環境を整えることも、デジタル人材の育成に効果的です。
デジタル人材を確保したい方は、社内の人材をデジタル人材へと育成しましょう。
デジタル人材を採用する
新しく社員を採用するのも方法の一つです。
採用というのはデジタル人材を確保する最も取り組みやすい手段ですが、「優秀なデジタル人材ほどスキルアップのために転職してしまう」という懸念点があり、採用したら定着させなければなりません。
そのためには、社員を評価する方法や給料・休日といった待遇の見直しなどで、デジタル人材に「この会社に残ってDX推進に携わりたい」と思ってもらう必要があります。
また、社員が交流できる場を設けて、既存の社員と新しく会社に入ったデジタル人材の親睦を深めてもらうことも、デジタル人材の流出を防止するのに効果的だといえるでしょう。
アウトソーシングする
デジタル人材が足りない時は、社内の業務をアウトソーシングするのも一つの手です。
アウトソーシングは必要な期間だけ外部に委託できる点で優れています。
デジタル技術に関する知識やスキルを身に付けた高度な人材を、一から育成・採用するのは時間がかかります。
そのため、アウトソーシングを使ってデジタル人材を探す方法は、信頼できる即戦力に業務を任せたい企業におすすめです。
まとめ:企業間の競争を勝ち抜くためにDXを推進してデジタル人材を確保しましょう
デジタル人材とは、「最先端のデジタル技術に精通していて、そのノウハウを組織に浸透させられる人材のこと」で、技術的なスキルであるハードスキルと対人関係のスキルであるソフトスキルが求められます。
数多くの企業がDXを推進するようになってから、需要が年々増えていますが、国内におけるデジタル人材は需要に対して供給が圧倒的に足りていません。
そのため、「デジタル人材を育成する」「デジタル人材を採用する」「アウトソーシングする」といった方法でデジタル人材を確保しましょう。
これからDXを推進しようと検討している人は、まず従業員を育成したり新たに採用したりするところから始めてみてはいかがでしょうか。
また、DX推進プロジェクトの進行でお困りの企業様は是非弊社にお問合せください。
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