CCPMというプロジェクト管理手法をご存じでしょうか。
CCPMは、組織を運営していく中で起こる下記のような課題を解消してくれる理論です。
「納期にいつも遅れてしまう」
「認識齟齬が多く作業に手戻りが多く発生する」
今回は、組織で働く人なら知っておいて損はないCCPMの意味やCCPM研修を受けるメリットをご紹介します。
CCPMとは?
CCPMは、エリヤフ・ゴールドラットが提唱したTOC(制約条件の理論)を基にしたプロジェクト管理手法です。
「Critical Chain Project Management」を略したもので、クリティカルチェーンマネジメントとも呼ばれます。
CCPMを導入することで、以下のような効果が見られます。
- 工期の短縮
- 納期順守率の向上
- チーム内コミュニケーションの活性化
プロジェクト管理に課題の多い現場にはうってつけの理論でしょう。
CCPMで解決できる課題
ここでは、実際にCCPMで解決できる課題について詳しく見てみましょう。
紹介する課題は、以下の通りです。
- 納期に度々遅れる
- 長時間労働が蔓延している
- コミュニケーションが不足している
納期に度々遅れる
納期に間に合わないことが常態化していませんか?
納期に何度も遅れていると顧客からの信頼を失うため、可能な限り避けなければなりません。
例えば、人手不足で忙しいことや顧客から厳しく言われないからという理由で納期を軽く考えていませんか?
納期の遅れが常態化している職場は、必ず改善策を取る必要があります。
長時間労働が蔓延している
長時間労働が蔓延している職場は少なくありません。
仕事のパフォーマンスが低いことも、長時間労働になる大きな要因の一つです。
また反対に長時間労働が組織のパフォーマンス低下を招く恐れがあり、長時間労働は急速にパフォーマンスの低下を促します。
CCPMは、この長時間労働とパフォーマンス低下のサイクルを解決します。
コミュニケーションが不足している
コミュニケーションの欠如は、プロジェクトの認識齟齬や手戻りを生みパフォーマンスを低下させます。
特に他部署や他の組織と連携して仕事をこなす必要のある大規模プロジェクトでは、コミュニケーション不足が見られるものです。
CCPMは、プロジェクトメンバーのコミュニケーションを促進します。
CCPM研修を実施するメリット
ここでは、CCPM研修を実施するメリットを5つご紹介します。
紹介するメリットは、以下の通りです。
- CCPMの基礎知識が身に付く
- 疑問点をすぐに解消できる
- 最新情報を手に入れられる
- 組織に一体感が生まれる
- 組織のマネジメント力が向上する
CCPMの基礎知識が身に付く
研修を通じて、CCPMの基礎知識が身に付きます。
基礎が身に付けば、その後の勉強は独学でも比較的スムーズに進むため、社員の飛躍的なスキルアップが望めるでしょう。
疑問点をすぐに解消できる
研修では、CCPMに精通した講師にいつでも質問ができる環境です。
そのため、疑問点をすぐに解消できます。
もし独学で学んでいた場合、分からないことがあってもインターネットに載っていない情報へはすぐに辿り着けません。
スピーディーに学びたいなら、研修がおすすめです。
最新情報を手に入れられる
研修では、社内では得られにくい最新情報が得られます。
CCPMは今でも利用されている考え方なので、利用されていく中でより改善されている部分や新しい事例が現在進行形で増えています。
独学でWeb上にある記事や本を読んで勉強のみでは、最新情報に触れるという観点からはあまり効果的とは言えません。
最新情報を組織へ取り込みたいのであれば、研修の実施を検討すべきでしょう。
組織に一体感が生まれる
研修を実施することで、組織に一体感が生まれます。
また、CCPM自体も組織に一体感を生みやすい理論と言えます。
なぜならCCPMでは全体の進捗状況が全員に分かりやすくなるため、PM(プロジェクトマネージャー)のみならずメンバーもプロジェクト全体を意識しやすくなるためです。
一体感は、組織が高いパフォーマンスを発揮するために欠かせない要素です。
組織内部にいるメンバーの大半が、仕事で関わりのある社員以外のことを全く知らないという状況ではありませんか?
そのような場合、CCPM研修が一体感の起爆剤になることもあります。
組織のマネジメント力が向上する
CCPM研修で組織のマネジメント力が向上します。
なぜなら、CCPMはプロジェクトをマネジメントする優れた手法の一種であるからです。
マネージャーが育たないという課題を抱えていませんか?
CCPMの考えを社内に取り入れることで、優れたマネジメントの実行が期待できます。
ビーイングコンサルティングのCCPM研修
ビーイングコンサルティングでは、実践的なCCPM研修を提供しています。
CCPMに関する基礎知識はもちろんのこと、現場に浸透させるための知識まで体系的に学べます。
オンライン環境でも受講可能なので、組織メンバーの多くがテレワークを実施している場合も安心です。
QAのやり取りも可能、よって疑問点はすぐに解消できます。
法人のみならず個人向けのプランも用意されているので、フリーランスや個人事業主にもおすすめです。
CCPMの事例
ここから、ビーイングコンサルティングで行ったCCPMの導入事例をご紹介します。
シャープ株式会社
シャープ株式会社様は、TOC及びCCPMの導入により6ヶ月という比較的短期間で開発リードタイムを当初の70%にまで短縮しました。
マネジメント改革を導入する前は、目の前のプロジェクトをこなすことに精一杯で、将来に向けた活動に時間を割けませんでした。
しかし改革後は時間的に余裕が生まれたため、以下のような変化が見られました。
- 先行検討と技術検討に時間を充てることによる魅力的な商品の開発
- 品質の向上
- 遅延をリカバリーするための投資が減少
改革したポイントは、以下の内容です。
- 事業部門の様々な課題を発生させている根本原因の特定
- ハードウェア部門に絞ってプロジェクト管理を変革
- 事業部門の「戦略と戦術」の繋がりの見える化
ハードウェア部門での成功を受け、シャープ株式会社様では事業部門全体でのパフォーマンス向上を目指した取り組みを実施しました。
Bosch Packaging Technology
弊社では、2012年からBosch Packaging Technology様へCCPMの導入を手がけました。
2012年当時、納期遵守率の悪化やリードタイムの長期化が問題視されていました。
ここで、以下の目標を元にCCPMの導入が開始されました。
- 2015年までにリードタイム50%短縮
- 持続的成長 - アウトプット増大
- 納期遵守率の改善
結果、2012年と比較し2015年には以下のような成果をあげました。
- 納期遵守率100%
- D2プロジェクトのリードタイムを31%削減(※100,000スイスフラン当たり)
- D3プロジェクトのリードタイムを53%削減(※100,000スイスフラン当たり)
- 売上高27%アップ
マツダ株式会社
弊社では、2007年からマツダ株式会社様のパワートレイン開発本部にCCPMの導入を開始しました。
当時、プロジェクトを管理するためのスキルが伝承されていない影響で、各々プロジェクトのマネジメントに悪戦苦闘していました。
CCPMによるプロジェクト計画を何度も議論を繰り返す等して練り直し、日々のマネジメントの中で小さな成功体験を積み上げました。
小さな成功体験は後のプロジェクトの大きな成功につながり、SKYACTIV TECHNOLOGYの実現を加速させる要因の一つになりました。
アルパイン情報システム株式会社
弊社では、限られたリソースでより高いパフォーマンスを発揮できるプロジェクト管理を実現するためにアルパイン情報システム株式会社様にCCPMを導入しました。
CCPMの導入前、納期遵守率が29%と納期の大半が守られていない状況でした。
プロジェクト管理の状況としても、以下の課題を抱えていました。
- 問題が大事になってから判明
- 慢性的な人手不足
- 自分のタスクで精一杯
- 問題の共有に時間が掛かりすぎている
- 限定的な対策しか打てない
以上の状況を克服するため、とにかくCCPMを使ってプロジェクトを管理してみる所から始めました。
最初から上手くはいかないので見直しをしていき、全社で適用して効果が期待できるレベルになったところで全体に展開しました。
ここで見えてきたのは以下の大きな二つの問題点でした。
- プロジェクト以外の業務を含めた全体管理
- リソース調整の壁
こちらは、優先度を決めて優先度の高い案件に集中化することで解決しています。
そして最終的には、納期遵守率は88%にまで改善致しました。
オリンパス株式会社
オリンパス株式会社様では当初、上位マネージャーによる組織マネジメントとプロジェクトマネージャーによる現場マネジメントの認識齟齬による問題対策の遅延が問題視されていました。
そこでCCPMを取り入れ、プロジェクトの目的や計画、問題対策状況の見える化を進めました。
結果、問題の早期検知と早期対策を実現しています。
まとめ:CCPM研修を実施して、よりマネジメントに優れた組織を作ろう
今回の記事の内容を以下にまとめました。
- CCPMは優れたプロジェクト管理手法
- 研修には疑問点をすぐに解決できるなどの有用なメリットがある
- ビーイングコンサルティングではCCPM研修を実施している
- ビーイングコンサルティングのCCPM研修は実績多数
CCPMは、TOCを元にしてできたプロジェクト管理手法です。
マネジメントに大きな課題があるというお客さまは、ぜひCCPM研修の導入を検討してみましょう。
以下の資料でTOCやCCPMについてさらに詳しく説明しているため、より詳細に知りたい方は併せてご覧ください。