思考プロセスのポイント
“Inherent Simplicity(ものごとはそもそもシンプルである)”
“Every conflict can be removed(どんな対立も解消できる)”
“People are good(人は善良である)”
そのような前提のもとで生み出されたTOC。TOCを生み出したイスラエルの物理学者のエリヤフ・ゴールドラット博士は、ロジカルシンキングの世界にも科学的にアプローチし、TOC理論を用いた「思考プロセス」を生み出しました。
企業/組織の中には常に多くの「課題」が存在します。しかし、その1つひとつの「課題」に対して個別に解決策を実行することは不可能。TOC流ロジカルシンキングの「思考プロセス」では、その「課題」を発生させている中核問題、つまり、組織のパフォーマンスの最大化を妨げている「制約」を特定し、制約をベースとした現状分析、未来分析、実現方法の検討を実行します。これにより最小の手間/時間で最高の組織変革を起こすことができます。
よくある問題点
- ・部門間に長年存在する問題/課題が解決しない
- ・組織の中に問題/課題が多すぎて何から手を付けたら良いかわからない
- ・何年も改善活動をしているが、毎回同じ問題/課題が発生する
- ・問題/課題の特定作業ばかりで、解決策が実行に移されない
- ・みんな違う問題/課題を訴えている
問題/課題を放置する組織はありません。何かしらの分析と解決策の検討を行うケースは多く見受けられます。しかし分析をすると毎回、同じ問題/課題が発生してしまい、改善活動自体が停滞、もしくは消滅するといったことも少なくありません。
従来のよくある問題解決手法

各問題をそれぞれ独立したものとして個別に原因を深掘りし、解決方法を検討して実行。しかし、多くの場合は、1つの問題を解決しても他の問題は解決せず、他の問題を解決すると解決したはずの問題が浮上するという、モグラたたき状態に陥ってしまいます。
解決の方向性

各問題(症状)に個別で対処するのではなく、多くの問題を引き起こしている中核的な問題を特定して対処します。
思考プロセス(一部抜粋)

対立解消図活用例(シャープ株式会社様 TOC新春講演会2018発表資料より)
問題を対立として表現する。長く解決せずに残っている問題には、必ずその背景に「対立」が存在します。なぜならば、「対立が無く自分の考え通りに実行できる」ということは、その問題は既に解決していたといえるからです。
従って、悩み続けている問題を解決するには、まず「問題の背後にある対立を明らかにする」ことが重要となります。対立解消図では「問題の解決」を「対立の解消」と捉えていきます。
制約特定の方法(一例)

事業部門/組織のステークホルダーからそれぞれの問題/課題(好ましくない結果)をヒアリングし、マッピングを行います。課題の発生源となっている根本的な問題を特定し、根本問題が各種問題/課題を発生させていることを確認します。