事業に取り組むにあたっては、組織の持つパフォーマンスを最大限に引き出した運営をおこないたいもの。
実現するためには、ビジネスに必須の「戦略」や「戦術」といった概念を確実に理解し、実践する必要があります。
しかし、実際に戦略と戦術の概念をうまく組織運営に活用できている企業が少ないという事実も。
TOCの考え方を取り入れて、一般的な戦略と戦術を新たな方法で捉え直すことで、戦略と戦術は従来よりも使えるメソッドに変化します。
ビーイングコンサルティングでは、TOCを用いて経営層から現場まで共通の認識が浸透した環境や、市場や情勢の変化に速やかに対応できる環境の構築をアシストしています。
ビジネスにおける一般的な戦略と戦術とは
わかっているようでも曖昧な認識になりがちな戦略と戦術。
今一度、従来の戦略と戦術の意味や、実際の組織での運用について確認してみましょう。
従来の戦略と戦術の定義
戦略も戦術も、もともとは軍事用語です。
戦いに勝つための技術が、現在は経営目的を達成するための技術として応用されています。
戦略とは
戦略とは、「特定の目的達成のため、持っている力や資源を総合的に運用する技術」を指します。
つまり、現在の組織が「何をするのか」「何を捨てるのか」など、進むべき方向やシナリオを描くことです。
戦略の策定は、組織の持てる力をもとに長期的な視野と複合的な思考で組み立てることが必要。
経営層が組織の戦略構築をおろそかにしていると、組織全体の混乱や停滞を招きます。
戦術とは
戦術とは「任務を達成するため人員や物資を効果的に配置して、戦闘力を運用する技術」を指します。
つまり、戦略を実現するために用いる手段やオペレーションのこと。
成果を出すためにおこなう内容で、より具体性を伴います。
戦略と異なり、実際に作業をおこなう現場層も理解しておくべき内容です。
上記のように、戦略と戦術には明確な違いがあるにもかかわらず、多くの企業で双方が曖昧になったまま経営がおこなわれているのが実情。
また、経営層は理解していても現場まで戦術の内容が浸透していないなど、戦略と戦術の考え方を実際の運営にうまく活かせていない企業も少なくありません。
以下では、実際の業務と照らして、企業における一般的な戦略と戦術の用いり方をみていきましょう。
従来の戦略と戦術の実践方法
会社経営の流れの中で、戦略と戦術をみていきます。
会社経営は、4段階のピラミッド構造として表現が可能です。
頂点の階層から順番に、以下の構成で経営が成り立っています。
- 戦略:目的達成のために進むべき方向や方法
- 作戦:戦略を実現するためのプロジェクト設定
- 戦術:プロジェクトを成功させるための具体的な方法
- 戦法:現場での戦術をサポートする輸送や管理などの後方支援
上位階層の内容を経営層が立案し、下位は方針に基づき現場層が実際に業務をおこなっていきます。
しかし、階層間での意思疎通や戦略の伝達がうまくいかず、戦略に基づかない戦術がおこなわれてしまうケースも少なくありません。
各階層間での分断により経営や運営が阻害されてしまうと、さまざまな問題が生じます。
戦略と戦術の展開でよくある問題点
戦略と戦術の重要性を理解しながらも、うまく組織内で展開できない場合は以下のような問題が生じてきます。
- 事業や部門の方針をメンバーに伝えても現場が理解していない
- 現場が「我々の組織には戦略も戦術もない」と認識している
- 戦略を無視した戦術が実行されている
- 市場や競合の変化に戦略と戦術の変化が追いついていない
- 戦略と戦術の理解度や解釈が人によって異なる
事業や部門の方針をメンバーに浸透させ、方針に基づいた行動を徹底することは組織にとって重要です。
しかし、優れた戦略を練り上げても、方針の浸透がうまくいかないために問題を抱える組織が数多く存在しています。
TOCにおける戦略と戦術で問題解決へ
従来の戦略および戦術の捉え方を理解するだけでは、円滑な組織運営は困難です。
問題は上層である戦略と、下層である戦術が一体になれず、分断が起きている点。
「下層が戦略を踏まえず、勝手に戦術を考えて行動してしまう!」とお悩みの方も多いと思います。
その改善のため、私たちはTOCのS&Tツリーという考え方を用いた事業における戦略と戦術の定義をおこないます。
S&Tツリーは和名で「戦術と戦略のツリー(Strategy&Tactics Tree)」。
組織規模を問わず導入でき、戦略と戦術をスピーディに浸透させ、意思統一された組織の構築を可能にする方法です。
TOCのS&Tツリーの構造
実際のS&Tツリーをみていきましょう。
TOCのS&Tツリーの最大の特徴は、戦略と戦術のつながりを見える化している点です。
ツリー上に配置されたボックスのすべてに戦略と戦術を定義することで、戦略と戦術を常に一体化させ、従来の戦略と戦術の分断を解消します。
また、並んだボックスの階層ごとにレベル分けがなされており、レベルごとに記載する戦略と戦術の内容が異なります。
レベル | 各レベルの戦略と戦術の意味あい |
1 | 組織や企業、事業部門ごとの目標 |
2 | 他社が簡単に真似できない決定的な競争力 |
3 | 決定的な競争力の構築、収益化、持続の方法 |
4 | それぞれの具体策とアクション |
5以下 | より詳細な具体策とアクション |
一般的な戦略と戦術におけるピラミッド構造と近いようですが、組織の持つ資源や力を可視化し、競争に取り組む方法が盛り込まれていることがわかります。
強みやビジネスの方法をメンバーで共有でき、階層ごとにメンバーが自分の役割を理解しやすいため、意思や行動のばらつきを抑えることが可能です。
TOCのS&Tツリーでより効果的な戦略・戦術へ
すべてのレベルにおいて戦略と戦術が明確なS&Tツリー。
もうひとつの大きな特徴は、それぞれのボックス内に戦略と戦術に加えて、3つの「なぜ」を記載していることです。
「なぜ」を記載することで「なぜその戦略と戦術を実行するのか?」が常に明確になり、より円滑な運営が可能になります。
ボックス内の詳細説明
必要仮定 | 「なぜこの変化が必要か?」 上位のレベルを達成するため、なぜ変化が必要かの理由 とるべき行動の必要性を記述 |
戦略 | 「何がこの変化の具体的な目的なのか?」 このボックスの目的や目指す結果を記述 |
平行仮定 | 「なぜこの戦略をとるのか?」 戦略を達成するために、戦術の具体的な行動を導きだす根拠 戦術と戦略の間の論理的つながりを構成する なぜ選んだ戦術が戦略を達成することにつながるかを記述 |
戦術 | 「どのようにこの変化を達成するのか?」 戦略を達成するために必要な行動や要素を記述 |
十分仮定 | 「なぜより詳細な具体策とアクションが必要なのか?」 下位のより詳細なステップをおこなう根拠 正しい行動をとるために、詳細なアクションをおこなう理由を記述 |
結果、経営層から現場に近い層まで、すべてのメンバーにとっての戦略と戦術が明確で、戦略と戦術が互いに結びついたアクションが可能です。
新しい戦略と戦術を用いて組織運営を円滑に
組織の状況に合わせて作成されたS&Tツリーは、ロードマップとアクションリスト双方の側面を備えたツールです。
ひとつのツリーに多くの機能を与えることで、ひとめ見てメンバー全員が自身のなすべきことを把握できます。
従来の戦略と戦術の考え方では分断されがちだった、組織の目標から現場の行動までを強力に結びつける存在として、また、目標達成までの最短ルートを示す存在として、組織運営の改善に大きく貢献してくれます。
ビーイングコンサルティングでは、TOCやCCPMを使用した組織運営のコンサルティングをおこなっています。
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