プロジェクトを円滑に進めるためには、絡み合っている多様な情報を整理してプロジェクトの方向性を定めなければいけません。

思考を整理してプロジェクトマネジメントをしやすくするには、フレームワークの活用が効果的です。

そこで本記事では、プロジェクトマネジメントにおすすめのフレームワークを5選紹介します。
前半3つは「プロジェクト管理手法」、後半2つは「プロジェクト管理に使えるツール」をご紹介します。

プロジェクトマネジメントに課題を抱えている方は、ぜひご参考ください。

プロジェクトマネジメントにフレームワークを活用するメリット

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトに関するコスト・時間・人員などのリソースを適切に管理して、プロジェクトを完遂させることです。
プロジェクトを期日までに成功させるためには、円滑に進めなければなりません。

しかし、プロジェクトでは複数の人が関係したり、さまざまな事情が絡みあったりするため、何をどう進めたら良いのかがわからなくなることもあります。

そこで、活用できるのがフレームワークです。

フレームワークに当てはめて情報をまとめると、思考を整理できます。そして、どのようにプロジェクトをマネジメントしていくべきかという方向性を見極められます。

また、情報をまとめたフレームワークをプロジェクトメンバーと共有することで、メンバーの意識を統率できます。

目標や進め方などの意識がバラバラだと、全員の足並みが揃わずにミスやトラブルに発展しかねません。
しかし意識が統率できると、全員が同じ方向へと進むことができ、プロジェクトが円滑に進行できます。

それでは、ここからはプロジェクトマネジメントに活用できるフレームワークを5つ紹介していきます。
前半3つは「プロジェクト管理手法」、後半2つは「プロジェクト管理に使えるツール」です。

【プロジェクト管理手法】
・CCPM
・PPM
・P2M

【プロジェクト管理に使えるツール】
・WBS
・スクラムフレームワーク

CCPM

まずはCCPMについて解説します。

「プロジェクトを納期内に完成させたい」「毎回、プロジェクトで遅延が発生して納期ギリギリになってしまう」

このような組織におすすめのフレームワークです。

CCPMとは

CCPMとは「Critical Chain Project Management(クリティカルチェーンプロジェクトマネジメント)」の略語です。

CCPMでは、プロジェクトの各タスクにおけるバッファを取り除いて最短でスケジュールを組み、すべてのタスクが終わったあとにバッファを設けます。

たとえば、プロジェクトの納期まで100日間の日数があるとします。
その場合、スケジュールは以下のように組むことが多いでしょう。

  • タスクA:20日間(見積もり工数15日間+バッファ5日間)
  • タスクB:20日間(見積もり工数15日間+バッファ5日間)
  • タスクC:30日間(見積もり工数23日間+バッファ7日間)
  • タスクD:30日間(見積もり工数23日間+バッファ7日間)

一方のCCPMでは、各タスクのバッファを取り除いてスケジュールを組みます。

  • タスクA:15日間
  • タスクB:15日間
  • タスクC:23日間
  • タスクD:23日間
  • バッファ:24日間

こうすることで、各タスクの担当者は最短工数でタスクを行うよう意識できるため、もしすべてのタスクが期日内に完成できれば納期よりも早く完成させられます。
残りの日数は、内容の確認やブラッシュアップなどに費やすことができるでしょう。

また、たとえば「タスクAで3日間の遅延、タスクDで5日間の遅延が発生した」と仮定します。
しかし、CCPMの場合は最終的なバッファで調整できるため、もし各タスクで遅延が発生しても最終的な納期内にプロジェクトを完了させられるのです。

CCPMのメリット

CCPMは各タスクにバッファを設けず、最終的なバッファに集約させます。

各タスクの納期までに余裕があると「まだ着手しなくて大丈夫」といった油断が生まれますが、CCPMでは各タスクを最短工数で行うように意識できるため無駄な停滞時間が発生しません。
そのため、最短でプロジェクトを完遂させることができます。

また、タスクの進捗状況を把握しやすいので、遅延しているタスクを洗い出せます。
遅延部分に人員やコストを投入できるため、リソースを有効に活用でき、マネジメントしやすくなるのです。

CCPMの注意点

CCPMは短期プロジェクトには向いていない点には注意しましょう。

短期プロジェクトでは、そもそも日数的にも余裕がなく、各タスクのバッファを設けられない場合も少なくありません。

このような理由から、CCPMは短期プロジェクトよりも中・長期プロジェクトに活用しましょう。

また、バッファを設けないため各タスクの工数が最短となっており、メンバーは期日に追われながら作業しなければなりません。
そのため、メンバーからの不満が生じやすいことも注意点です。

各タスクを最短工数で終わらせるよりも、バッファの消費率をなるべく上げないことのほうが重要だということを周知する必要があるでしょう。

PPM

「社内で複数のプロジェクトを進行している」「各プロジェクトのリソースを最適化したい」

このような組織におすすめのフレームワークがPPMです。
この章では、PPMについて詳しく紹介します。

PPMとは

PPMとは「Project Portfolio Management(プロジェクトポートフォリオマネジメント)」の略で、社内で進行している複数のプロジェクトを一まとめ(ポートフォリオ)にして一元管理する手法です。

社内では、複数のプロジェクトが並行して進んでいることが多くあります。

それらのプロジェクトを、市場の成長率と自社の市場シェアから、以下4つの属性に分類します。

  • 花形:成長率・シェアともに高い
  • 金のなる木:成長率が低いが、シェアが高い
  • 問題児:成長率が高いが、シェアが低い
  • 負け犬:成長率・シェアともに低い

この4分類から、各プロジェクトの重要度を把握します。

PPMのメリット

PPMのメリットは、人員やコストなどのリソースの最適化ができる点です。

社内のプロジェクトを4つに分類することで、注力すべきプロジェクトが明確になるため、リソースを有効に活用できます。

例えば、「負け犬」に属したプロジェクトは収益性が低く、将来的にも成長が難しいため、撤退して別のプロジェクトにリソースを配分したほうが良いと判断できます。

また、「金のなる木」のプロジェクトで得た利益を、「問題児」に投入して成長させていくことも可能です。

このように、社内のプロジェクトの優先度が可視化されるため、リソースの有効活用につながります。

PPMの注意点

PPMは現時点での成長率やシェアのみで判断されるため、将来的に予期せぬ事態で覆される可能性もあります。

「競合他社が新技術を開発して、急激にシェアが高まった」「消費者のニーズの変化により、成長率が低下してきた」

このような場合も充分に考えられるため、注意しましょう。

P2M

「日本企業に合ったプロジェクトマネジメント手法を知りたい」

このような組織におすすすめなのがP2Mです。
そこで、ここからはP2Mについて解説します。

P2Mとは

P2Mとは「Project & Program Management(プロジェクト&プログラムマネジメント)」の略語で、プロジェクトマネジメントとプログラムマネジメントを統合した手法です。

日本発祥の概念で、P2M資格試験を開催し普及を広げています。

プログラムとは、プロジェクトの上位階層であり、複数のプロジェクトによって成り立っています。
そのため、P2Mでは個々のプロジェクトを管理するだけでなく、プログラム自体も管理することで、チーム間でのコラボレーションや生産性の向上などにつなげる手法です。

P2Mのメリット

P2Mは、プロジェクト同士の関係性が深いプログラムの管理に向いています

単体のプロジェクトを管理するのではなく、関係しあうプロジェクト同士を管理することで、プログラムも適切に管理できます。

また、プロジェクト同士の関係性が可視化されるため、コラボレーションを促し生産性向上が見込めるでしょう。

P2Mの注意点

P2Mは2001年に発行され、日本に合わせて作られたプロジェクトマネジメント手法です。

よって、認知度があまり高くなく、欧米などではほとんど活用されていません

成功事例などを探してもあまり見つからないので、参考にできる情報が少ない点がデメリットと言えるでしょう。

WBS

「プロジェクトにおけるタスクの担当者を事前に決めたい」「タスクの抜け・漏れを防ぎたい」

このような組織にはWBSがおすすめです。
WBSについて詳しく解説します。

WBSとは

WBSとは「Work Breakdown Structure」の略で、プロジェクトの各タスクを分解して表形式にするフレームワークです。

プロジェクトは複数のタスクで構成されています。
それらのタスクを洗い出し、担当者や納期などを設定する方法です。

タスクを整理する際には、まずは「大タスク」を洗い出し、さらに「小タスク」に細分化すると良いでしょう。

たとえば、WEBサイト制作のプロジェクトにおいて「TOPページの作成」が大タスクだとすると、「デザイン」「コーディング」「各種ボタン作成」「バナー作成」などが小タスクになります。

このように、タスクを分解して可視化するフレームワークがWBSです。

WBSのメリット

WBSでタスクを整理することで、タスクの抜け・漏れを防ぎます。

担当者や納期も設定するため「誰かが対応してくれると思っていた」「納期がわからないから、まだ着手していない」などのトラブル防止にも効果的です。

また、事前に各メンバーの業務範囲を周知できるので、情報共有にもつながります。

WBSの注意点

タスクを整理する際には、あいまいな表現は避けましょう。

具体的に設定されていないと業務範囲が不明確になって、誰が何をしなければいけないのかがわからなくなり、トラブルに発展しかねません。

なるべく細かくタスクを分解し、より具体的なWBSを作成しましょう。

スクラムフレームワーク

「アジャイル開発に向いているフレームワークを知りたい」

このような組織に向けて、スクラムフレームワークについて解説します。

スクラムフレームワークとは

スクラムフレームワークとは、アジャイル開発におけるプロジェクトマネジメントのフレームワークです。

プロダクトオーナー1人、スクラムマスター1人、開発者複数人の、合計10人以下がスクラムチームとなります。

そして、プロジェクトで「スプリント」と言われる短い期間をいくつか設定し、そのスプリント内にやるべきことを決めます。

メンバーは毎日報告し合い、お互いの進捗状況を把握しながら、トラブルが起きそうなリスクがないか検知しつつ日々の業務を進めます。

そうしてスプリントが終わり次第、次のスプリントでのやるべきことを設定して進めていく方法です。

スクラムフレームワークのメリット

スクラムフレームワークは、チーム内のコミュニケーションを促すことができます。

そのため、個々のスキルを発揮しながらも、お互いにフォローし合える体制が構築されます。

また、日々の報告によりお互いの状況を客観的に把握できるため、本人では気づかないような遅延やミスなどが発生しそうなリスクを見つけることも可能です。

スクラムフレームワークの注意点

スクラムフレームワークでは、スプリント中のタスクの変更や追加は原則として禁止されています。

したがって、もしクライアントからの仕様変更などの予期せぬ事態が起きた場合には、次のスプリントまで待たなければいけない場合もあります。

まとめ:自社のプロジェクトマネジメントに最適なフレームワークを導入しよう

プロジェクトマネジメントに活用できるフレームワークの種類は、多岐にわたります。

それぞれのフレームワークの特徴から、自社の目的に合ったフレームワークを見つけましょう。
またメリットだけでなく注意点もしっかりと理解し、自社の課題解決につながるか見極めることもポイントです。

そのため、まずは自社の課題から洗い出すと良いでしょう。
課題を明確にすることで、どのフレームワークが適しているか判断しやすくなります。

プロジェクトマネジメントで納期についての課題を抱えている方は、本稿で紹介したCCPMがおすすめです。

当社、ビーイングコンサルティングはCCPMを活用してクライアント企業の業務改善を成功させた実績を持っています。
そのため、当社が自信をもっておすすめできるプロジェクトマネジメント手法と言えます。

CCPMについてより知りたいという方は、ぜひ当社にお問い合わせください。

また、CCPMはTOCという経営手法をベースにしています。

当社はCCPMだけでなくTOCについても高い専門性があるため、詳しく知りたい方は下記資料をご参考ください。