Interview 2: TOCの導入により、組織の何が変わったのか? (2/4)

* AQUOS R で撮影

TOCを導入して分かった解決すべき本当の課題とは?

-2016年1月、先行してハードウェア開発部門にCCPMを導入されました。導入にあたり、どのような工夫をされましたか。

八塚様:この取り組みを展開する際、私が担当するハードウェア開発部門だけではなく、ソフトウェア開発部門や企画部門など、関係部門を巻き込まないと意味がないと思っていました。しかし、他の方法論と同じように「本に書いてある事は頭では分かるが、実際に我々の業務に適合させられるのか?」という心理的な壁を突破できるという自信を持っていたわけではありません。

まずはハードウェア開発部門で、とにかく時間を作ることにフォーカスしました。回路開発部長の宮内からみんなに「時間を作る」の一点張りで話をしてもらいました。時間を作ることができれば、強い商品を開発するためのコンセプト検証や先行検討など将来に向けた活動に時間を使うことができます。それを1つの目標としました。また、CCPMの傾向グラフが非常に分かりやすいので、誰からみても、一目見た瞬間に誰が何をしなければならないのかを決められる。その分かりやすさのアピールも1つのポイントだったと思います。結果、CCPMで時間を作る活動を行うことに賛同を得られ、実行しやすい状態になりました。

-2016年3月には、事業部全体で組織の制約を特定するセッションを行いました。

八塚様:CCPMで時間を作ることについて実行しやすい状態になった時、ビーイング様から、本当の課題が良くわかるように「UDEマップ(好ましくない結果の関連構造マップ)」を作ってみましょうか、とご提案いただきました。中野以下の関係する部署の部門長全員を集めて、「制約特定セッション」を開きました。ビ―イング様にファシリテートしていただき、とりあえず悩み事=UDEをヒアリングしました。加えて、3月に丸一日、みんなで集まってUDEマップを作成した所、たった2つの制約に対し、解決策を実行すればよい事が分かりました。

* マネジメントイノベーション2017 シャープ様発表資料より抜粋

八塚様:制約の一つ目は「1年後の次機種先行検討時間が不足している」こと。既に時間を作るためにCCPMを実行していましたので、あらためて活動の方向性に確信が持てました。制約の二つ目は、「階層間の戦略と戦術のつながりが足りない」ことでした。この制約については、中野からは「俺はちゃんと(戦略や戦術を)伝えているつもりだけど、お前らは分かっていないのか」と言われました。実際には、そんなキツイ言い方ではなかったですけど…

中野様:優しくね。

八塚様:その様な話を優しくされましたので、何度も討論会を重ね「わかっているだろ」「いやわからないです」「何がわからないのか」といったやり取りを何回も繰り返しました。ビーイング様に何か良いやり方があるか相談しました所、「S&Tツリー(戦略・戦術ツリー)」という考え方をご紹介いただきました。 戦略と戦術がどのように繋がっているのかを分析した方が、みんなに納得感があるのではないかということでした。

中野様:何年も前から、シャープの中でも戦略と戦術を語りきれる人が何人いるのだろうか、それを理解した上で自分達がどうあるべきかについて議論できる人が何人いるのだろうか、という会話をよくしていました。「僕はこう思っているのだけどね」と未来を語っても「私は方針に従って実行できています」「でも、実現できていないじゃん」と…。 私が言ったことについて、みんなのグリップが噛み合ってギアが回りだすような雰囲気が中々感じられていなかったこともあり、S&Tツリーは面白いと思いました。

ただ、本当にS&Tツリーで描いた状態にできるのかどうかは、これからの話です。今はギアの形とギアの組み合わせがわかってきて、このギアを回せば向こうのギアが回るだろうということが見えてきた段階です。

強いリーダーシップでみんなを引っ張りきるパワーを持ち続けることは、小さな会社や部署でない限りあり得ません。だからこそ、S&Tツリーには大変期待しています。


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