フロー最優先

本稿は、著者デイビッド・アプデグローブの許諾のもと、『The Critical Chain Implementation Handbook (Createspace, 2014) の冒頭を抄訳したものです。

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フロー最優先。

私は、タイプするこの指が動かなくなるまで、とことんこの言葉を繰り返すつもりです。
フロー最優先。もちろん、大事なのはこれだけとは言いませんが、常にこれが最優先です。高いパフォーマンスの組織に変わるには、プロジェクトのフローを大幅に加速させることが最も重要です。

フロー最優先という考え方は、TOCとCCPMに固有なものではないことは知っておくべきです。製造の歴史で真に偉大なリーダーにとっても、フローがまさに第一だったのです。トヨタ生産方式(TPS)の生みの親大野耐一にとってフローがすべてでした。そしてその大野は、フローの考え方に関して他ならぬヘンリー・フォードの功績を認めていたのです。以下は、ゴールドラット博士の優れた論説『巨人の肩の上に立って』からの引用です。

「大野の第一の目標は、フォードと同様、フローの改善(つまりリードタイムの短縮)であった。それはトヨタがやっていることに関する質問に対する彼の答えが示唆している:

我々は、お客様が注文してから我々がその代金を回収するまでの時間を見ているだけです。そして、我々はその時間を短縮しているのです…」(脚注:Ohno, Taiichi, Toyota Production System, Productivity, Inc. 1988, page ix (前書きから)。

1926年、ヘンリー・フォードは次のように発言しています。

「製品を低価格に保つ上で最も注目に値する成果のひとつは、徐々に製造サイクルを短縮してきたことです。製造プロセスにある時間が長ければ長いほど、あちこち動き回れば回るほど、最終的なコストが膨らみます」

フロー最優先とズバリ明言しなくても、フォード、大野、ゴールドラット博士の名前を挙げて、明らかにそれと意図する言葉は、メモを取り、それに従うのがおそらく賢明です。

ここまで私たちにとってフローが最優先だと述べましたが、考えるべきはこれだけではありません。安全性やコスト、規制順守など、考えるべき重要なことは他にもあります。しかしどれであれ、フローが第一あるいは最優先だという考え方と一緒に吟味すべきです。特にコストに関する限り、ほとんど常にフローに軍配が上がります。なぜなら、もしコスト削減を最優先すると、フローを妨げて返ってコストが跳ね上がるという意に反した結果になり得るからです。

私が言える限り、はっきりと強く言わせてください:プロジェクト型組織にとって、CCPMは原価低減と利益増大の最も効果的な手段です。コストの観点からもフローが最優先であり、コスト削減に励んでも、フローを速くして得られるものには及びません。ヘンリー・フォードの言葉を思い出してみてください。

では始めましょうか。この本があなたの会社の成功と繁栄の助けになることを期待しています。これまでそのような事例を何度も見てきているので、それは必ず実行できると確信していますし、あなたの組織がどんなに特殊だとしても、あなたは必ずやり遂げると信じます。皆さまがCCPMの導入に成功されることを心から祈っています。

おっと、もう一言:フロー最優先!

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