対立解消図-1問題の捉え方

前回はアインシュタインの言葉「我々の直面する重要な問題は、それを作った時と同じ考えのレベルで解決することはできない」について掲載しました。

今回は、「では、どうやって違うレベルで考えたらよいか」についてTOCの問題解決アプローチの1つをご紹介します。

問題解決は企業に課せられた命題のようなものであり、特にマネージャークラスの方は、日々湧いてくる問題への対応で頭が痛いと感じている方も少なくないと思います。

≪問題の捉え方≫
問題解決策を考える際に、まずは問題が生じている背景を捉えることが重要です。
「問題」は何の対立もなく、自分の考え通りに行動できる状態であれば、既に解決に至っているはずです。しかし、問題が問題として居座り続けるということは、考え通りに行動できない「対立」(ジレンマ)が存在すると捉えることができます。

今回ご紹介する対立解消図は問題の背後にある対立を明らかにし、解決に繋げるツールです。

≪問題の背景を表現する≫
例としてあるサプライチェーンの責任者が「店舗や集約拠点に在庫が多い」という問題に頭を抱えている状況を取り上げてみましょう。

この場合、問題を対立解消図として表しますと以下のようになります。
※ここでは作り方の詳細は記載いたしません。

【対立解消図】

―→ :○するために△する必要があるなぜならば□だからだ

[対立解消図の読み方]

A「儲け続ける」為にはB「売上を確保する」必要がある。
B「売上を確保する」為にはD「在庫を多く持つ」必要がある。
なぜならば[仮定:モノがないと売れない、その時に顧客が…]だからだ。
一方で
A「儲け続ける」為にはC「コストを抑える」必要がある。
C「コストを抑える」為にはD’「在庫を多く持たない」必要がある。
なぜならば[仮定:在庫を抱えると在庫管理費用が掛る、売れないと不良在庫…]だからだ。
結果としてD「在庫を多く持つ」とD’「在庫を多く持たない」が対立する。

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ポイントは共通の目的に対して異なるニーズがあり、そのニーズを満たすための行動で対立しているという点です。

「在庫を多く持つ」と「在庫を多く持たない」の一方の行動を選択すると、異なるニーズを満たす事ができません。販売や売上に責任を持っている組織は在庫は多く持ちたい、コストに責任を持っている組織は在庫を減らしたいと考えます。
そこでよく取りがちな解決策の1つとして、売上上位の品目のみ在庫を多めに置くということです。そうするとその品目が売上上位のうちは回転率が良い可能性がありますが、需要が下火になると一気に在庫を抱えることになります。

いかがでしょうか?
問題解決の際に、つい妥協案を探り合う、または問題そのものについて直接アプローチしがちです。問題が発生している背景をシンプルに対立として捉えて表現してみると、満たすべきニーズがあり、対立した行動を右往左往したり、妥協案を探り合うことではなく、
両方のニーズを満たす解決策を考えることで真の問題解決に繋げられます。

今回は対立解消図を作成し、問題を対立として捉え、問題の背景を押えるということについて説明しました。
次回は、対立解消図を使って解決策を考える際のポイントについて説明します。

コンサルタント
西郷 智史

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