天国と地獄の寓話とTOC

皆さんは、天国と地獄の寓話をご存じでしょうか。
様々なバージョンがありますが、あらすじはおおよそ以下のようなものです。

「地獄では人々はいつも飢えていて、イライラしてお互いイガミ合い、食べ物をめぐって争っています。
なぜかと見てみると、ご馳走が大きな鍋に入っているのですが、手が届きません。鍋に届く長い箸(「長い柄のスプーン」の場合も)はありますが、あまりに長すぎて食べ物を自分の口に運ぶことはできません。
皆何とか食べようと躍起になりますが、上手くいきません。だからイライラし、他の者から食べ物を奪おうとして争いが絶えない、という訳です。

天国にもご馳走が入った大きな鍋と長い箸があります。
ところが天国では、人々は長い箸でお互いの口にご馳走を運び食べさせ合っているのです。つまり、お互いを思いやることで、幸せに暮らしているのです。」

TOCとこの寓話に何の関係が?と不思議に思われた方も多いでしょう。でも私は、この寓話こそ正にTOCだ!と感じました。

TOCでは「短期間で売上や利益が何十%も向上した!」というような事例がごまんとあります。
また、財務的な成果だけでなく、組織間の壁が無くなった、コミュニケーションが加速した、メンバーが成長したなど、数値だけでは測れない人や組織面での成果も、同時に挙げるケースが数多くあります。

私が担当したある企業のマネージャーからは、「以前なら絶対に遅れていたようなものが遅れなくなった。これはとんでもないことだ!」というコメントをいただいたことがあります。
これらは、実現できるまではなかなか想像さえできないほどの大きな成果です。ただこれは、企業が新たな能力を身に付けた、というのではなく、元々あったが十分には発揮されていなかった潜在力が引き出された、そんな風に私は感じています。

ここに今回の寓話にTOCを感じたポイントがあります。

つまり、「ご馳走」はずっと目の前にあったのに手に入れることができなかったのです。
(もちろん、企業が地獄だなどと言いたい訳ではありません。念のため。。。)

むしろ、これまで持てていなかったのは全体を俯瞰した視点だと思います。あるいは、全体を有機的なつながりとして見る視点とも言えるでしょう。
そのような視点を持つことで、企業が本来持っていたパワーが解き放たれる。具体的には、大きな財務的成果を生みだすと同時に、コミュニケーションの活性化、メンバーの成長も生み出されているのだと思います。

もっとも、寓話では天国と地獄の大きな差は人々の考え方と捉えているように思えるのですが、TOCでは「人は善良である(People are good.)」と考えます。つまり、人がそのような行動をとるのは、その人やその人の考え方そのものが悪いわけではなく、仕組みがそうさせている、という風に考えます。

皆さんはどのように捉えましたでしょうか。

シニア・コンサルタント
工藤 崇

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