競合他社が容易に真似できない競争力とは? その3

今回も決定的競争力について書きたいと思います。

決定的とは、競合他社が容易に真似できないという意味であり、一般的な競争優位性とは異なることを、前回と前々回で書きました。

今回も前回と同じ以下の受注生産型の製造業の例を使います。

①平均供給リードタイムが1か月間の受注製品(MTO)の市場。
②価格や品質は、他のサプライヤーと比べ、大きな差がない。
③お客様は、納期短縮を強く望んでいる。

決定的競争力を得るにはリードタイムを半減させるだけでは不十分で、もう少し工夫必要だと前回書きました。

それは、納期半減が本来は魅力的でも、業界標準からとかけ離れ過ぎているため、にわかには信じられず、ただの「ウマすぎる」話に感じられてしまう可能性があるからです。

また、「ウマすぎる」提案を受け入れてもらえるお客様がいるとしても、営業担当者の力量の違いによる売り損じや、従来通りの値引きに頼る売り方により、せっかく獲得した能力(今回の例では、リードタイム半減)を上手く利益の増大につなげられないことが多々あります。

とはいえ、当社の営業力は強力なので、後は営業に任せてくれといった声が聞こえてきそうです。

確かに一般的な競争優位性であれば、これ以上策を練らなくても十分かもしれません。
従来の半分の納期だけでも、営業の武器になると思います。

しかし、一般的な競争優位性ではなく、決定的競争力を得るためには、もう少し考えを巡らせる必要があります。

 

[決定的競争力構築のカギ]

今回の例では、「納期を従来の半分にできたものの、あまりに「ウマすぎる」ため、かえってお客様になかなか信じてもらえない」という状況をなんとかする必要があります。
やはり提案を信じてもらう他はないのですが、それこそが非常に頭を悩ませ、だからこそ決定的競争力のカギになる部分です。

「では、どうすれば?」と興味がわいたところだと思いますが、これについては、また別の機会に紹介したいと思います。

お客様に「ウマすぎる」提案を確実に信用してもらえば、競合他社に対して、かなり有利になります。

ここまで来ると、売上や利益に大きく貢献することになります。
しかし、まだこれで安心してはいけません。

更にもう一手考えておく必要があります。
なぜならば、お客様のニーズを捉えた魅力的な提案を営業が行うようになると、従来では考えられない大量の受注が入り出すようになるからです。

皆様の今の状況からは考えられないかもしれませんが、TOCを導入した企業で良く見られる状況です。
受注の急増で工場は高負荷な状況になり、せっかく築いた内部能力が阻害される状況が起こる可能性が高くなるからです。

その時々の制約に対処していくことで、素早く継続的に決定的競争力を強固にしていきます。
競合他社に対して大きな優位性を作り上げたからといって、一安心して歩を緩めてしまっては、いずれ遠くない将来に追いつかれてしまいます。
そうではなく、獲得した優位性を更に成長していくための跳躍板として活用することにより、迅速で大きな成果を上げ続けることが可能になります。

シニア・コンサルタント
工藤 崇

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